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退職した人材の再雇用を狙う「アルムナイ制度」 企画倒れで終わらせないポイントはアルムナイネットワークを構築する7つのヒント【後編】

人事部門が「アルムナイ制度」(退職者を再雇用する仕組み)を構築し、コミュニティーを長く存続させたいなら「やるべきこと」と「やり過ぎてはいけないこと」がある。それは何か。

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 「1つの職場でずっと働き続ける」時代は過去のものになりつつある。企業は、今いる人材を引き付け続けるために工夫を凝らさなければならない。

 アルムナイ(企業の退職者、離職者)は人事部門にとって、長期的な採用活動のキーパーソンだと言える。元従業員のコミュニティーである「アルムナイネットワーク」を社内制度として構築すれば、リファラル(従業員による人材紹介)採用のきっかけになることがある。退職者が「ブーメラン社員」として戻り、再び働いてくれることもある。

 後編となる本稿は、企業がアルムナイネットワークを構築するための7つのヒントのうち、4〜7つ目を紹介する。

ヒント4.新入社員と現従業員でアルムナイネットワークの土台を築く

 従業員が退職するときにアルムナイネットワークへの参加を求めるのでは、タイミングが遅過ぎるということになりかねない。人事ソフトウェアベンダーInsperityで人事コンサルタントを務めるシェリル・ラプラス氏は「アルムナイネットワークに参加するための土台作りを、その人が入社したときにオリエンテーションの一環として始めるとよい」と提案する。

 「退職後も人脈作りができる」ということを早い段階で新入社員に伝えておくと、彼らが退職して再就職のために動き出すとき、助けになるはずだ。

ヒント5.適切な量のコミュニケーションを取る

 交流する手段や接点を常に用意しておくことは重要だ。ただし圧倒的でうっとうしいと感じるほどのメッセージやイベントを企業が発信すると、参加者がアルムナイネットワークから離れる恐れがある。人事コンサルティング会社Burr Consultingで人事コンサルタントを務めるマシュー・バー氏によれば、企業は適切なバランスを取らなければならない。

 例えば毎週メールを送るのは「やり過ぎ」になる可能性がある。代わりに元従業員をグループに招待して、「誰がそのグループを受け入れて参加しているのか」を追跡し、招待メールの開封率を分析するのは効果的だ。

 「参加者にとってのアルムナイネットワークのメリットを明確にすることが大切だ」とラプラス氏は言う。そうすることで、参加者はより積極的に参加し、活動を続けることができるからだ。

ヒント6.イベントを慎重に検討する

 人事リーダーは、イベントを企画する際には工夫を凝らす必要がある。単なる懇親会以上の価値をもたらすイベントを企画すれば、元従業員の関心を引き付けられる可能性がある。

 ラプラス氏が「人気のイベント」として挙げるのがボランティア活動や勉強会だ。「学習機会になるイベントを開催し、元従業員に発表や出席を依頼することで、つながりを強化できる」と同氏は見解を示す。

 ただし人事リーダーは、リアルイベント(実際に会場に集まるイベント)の欠点に注意を払う必要がある。学校の同窓会と同様に、元従業員のカジュアルな懇親会は飲酒を伴う場であることが一般的で、企業の責任を問うトラブルが発生する可能性があるからだ。

 誰かがけがをしたり、セクシュアルハラスメントが起きたりすると、労働災害の支払いの要求や訴訟を起こされる可能性がある。「人事担当者の責任という観点から言えば、その場でアルコールが提供されているかどうか、イベントで何が起きているかどうかを監視し、人事のポリシーに照らして問題があるかどうかを判断しなければならない」とバー氏は言う。

 この解決策の一つに、バーチャルイベントがある。バーチャルイベントは前述の問題を回避しつつ、つながりを育むことができる。元従業員の居住地が分散している場合には特に有効だ。

ヒント7.フィードバックを求める

 元従業員の要望を聞くことで、コミュニティーの改善につながる可能性がある。LinkedInの同名SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や、ベンダー各社が提供するアルムナイネットワーク管理ソフトウェアなどのITツールは、人事部門がアルムナイネットワークを運営するのに役立つ。「何よりも重要なのは人的要素だ」とラプラス氏は強調する。従業員や関係者から今後のイベントに関するアイデアを集め、何がうまくいっていて何がうまくいっていないのかについてのフィードバックを得れば、参加率向上の助けになる。

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