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「ノートPC不要論」を再燃させた“シンクライアントの進化”とはノートPC不要の時代がすぐそこに【前編】

ノートPCはしばしば、管理作業の複雑さや、デバイスが重く持ち運びしにくいことが課題として挙げられる。こうした課題を解決するのが、シンクライアントだ。ノートPCがシンクライアントに完全に置き換わる未来はあるのか。

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 業務にDaaS(Desktop as a Services)をはじめとするクラウドサービスを利用することが一般的になった今、「ノートPC不要論」が再燃しつつある。Amazon Web Services(AWS)がシンクライアント「Amazon WorkSpaces Thin Client」を発表したことも、ノートPC不要論を助長する動きだった。仕事用のノートPCが不要になる状況は、どこまで進むのか。

「ノートPC不要論」が再燃 シンクライアントは代替の選択肢か?

 調査会社Gartnerのアナリストであるシド・ナグ氏の回答は「場合による」だ。筆者は、ノートPCが不要になる日が近づいていると考えている。シンクライアントで業務を遂行するには、アプリケーションが稼働するクラウドサービスに接続できればよい。クラウドサービスのサーバがデータ処理を担うことで、演算性能がそれほど高くないシンクライアントのCPUを使っても業務は問題なく進む。そうした仮想デスクトップの仕組みが、ノートPCからシンクライアントへの置き換えを後押しする可能性がある。

 調査会社Forrester Researchのアナリスト、アンドルー・ヒューイット氏は、企業のノートPCを不要にするには、シンクライアントのネットワークへの常時接続を完全に実現する必要があると説明する。それに加えて、シンクライアントをノートPCの代替手段にするには、マウスやキーボードをなくし、外付けデバイスの数や重量を減らし、エンドユーザーの業務効率向上につなげる必要があるとヒューイット氏は考える。「シンクライアントがノートPCに完全に置き換わるには、小型マイクやウェアラブルデバイスといった、新しい入力用のインタフェースが市場に登場する必要がある」(同氏)

 ノートPCからシンクライアントへの置き換えができるのは、現状はインターネットに接続できる状態にいることを前提とした一部の人に限られる。それを前提に、ヒューイット氏は次のように話す。「インターネット接続が可能なら、シンクライアントのユーザー体験はノートPCとほとんど区別できない程度まで進歩している」


 次回は、クラウドベンダーやPCベンダーがどのようなシンクライアントを開発しているのかを取り上げる。

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