「期待のNaaS」が企業にとっては“期待外れ”だった理由:NaaSの本質と誤解【第3回】
企業がNaaSを利用する動きは今後拡大する見込みだが、現状の市場で利用できるNaaSには課題がある。企業が導入をためらう理由とは。
調査会社Gartnerによれば、2024年末までに15%の企業が、ネットワークやそのインフラをサブスクリプション形式で利用する「NaaS」(Network as a Service)を導入する。ただし同じくGartnerの調査によれば、2022年のNaaS導入率は約2%に過ぎなかった。企業はNaaSを導入する上で、何を懸念しているのか。
企業がNaaS採用をためらう理由
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連載:NaaSの本質と誤解
NaaSの基礎と本質
ほとんどのNaaSベンダーはNaaSをマネージドサービスとして提供しており、これがNaaSの導入が進まない理由の一つになっている。
NaaSは本来、一定額を支払うサブスクリプション形式で購入するas a Service型だ。しかし、NaaSベンダーは従来のネットワークと同様、利用量に応じて金額を決定する従量課金でNaaSを販売している。従来型の企業ネットワークで変更を加える場合、企業はマネージドサービスプロバイダー(MSP)に連絡する必要があった。これではビジネスのアジリティー(機敏性)を損なってしまう。
as a Service型であるNaaSでは、ベンダーがネットワーク管理のスキルとリソースを所有する。ネットワークに問題が発生したときには、企業のネットワーク担当チームではなく、ベンダーが対処する。「迅速なネットワークサービス提供につながるのが利点だ」と、NaaSベンダーPacketFabricの市場調査・分析担当シニアディレクターであるケン・グレー氏は話す。
サブスクリプション型は、基本的には費用が固定の月額制だ。その費用の中でベンダーにネットワーク管理を委託する形になるため、従量課金制に比べて、管理コストを削減できる可能性がある。
第4回はNaaSのセルフサービス機能について解説する。
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