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「電子処方箋」普及に向けてNHS Walesが開発 “医療アプリ”の役割とは?NHS Whalesで進む電子処方箋の導入【後編】

英国のウェールズ地域を管轄するNHS Whalesが電子処方箋の導入を進めている。その計画を構成する要素の一つが「NHS Wales App」だ。試験運用から本稼働までの流れを整理する。

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 英国の国民保健サービス(NHS:National Health Service)でウェールズ地域を管轄するNHS Walesが、プロジェクトチームを結成して「電子処方箋」の導入を進めている。2024年1月、NHS Whalesのデジタルヘルスケア部門傘下で電子処方箋の導入計画を推進するプロジェクトチーム「Digital Medicines Transformation Portfolio」(DMTP:デジタル医薬品変革ポートフォリオ)が、活動に関する年次評価レポートを発表した。同レポートはDMTPの取り組みの一つとして、NHS Whalesの医療アプリケーション「NHS Wales App」を使った患者支援の活動状況を報告した。

医療アプリ「NHS Wales App」で何ができる?

 NHS Wales Appでできることは主に以下3つだ。

  • 定期的に薬を服用する患者が、かかりつけ医(GP:General Practitioner)に会うことなく必要な薬を注文できる「リピート処方箋」(Repeat Prescriptions)を使った薬の発注
  • 患者が利用を希望する薬局の選択
  • 薬歴や薬剤アレルギーに関する情報の閲覧

 NHS Wales Appの開発にはNHS Whalesのデジタル部門を担うDigital Services for Patients and Public(DSPP:患者と市民のためのデジタルサービス)と、ITベンダーKainos Softwareが関わる。2023年4月初旬に試験運用を実施した。

 NHS Wales Appは、Appleのアプリケーションストア「App Store」とGoogleのアプリケーションストア「Google Play」からダウンロード可能だ。機能や安全性、ユーザーのニーズを満たしているかどうかを確認するため、ウェールズ地域の一部のGPと患者を対象に継続して調査を実施しているという。24カ月以内にウェールズ地域で開業する全てのGPが、患者とNHS Wales Appを介してプライマリーケア(初期診療)における電子処方箋サービス(EPS)にアクセスできるようにすることが目標だ。

 年次評価レポートの序文で、DMTPの上級責任者であるハミッシュ・レイン氏は次のように述べている。「紙の処方箋を使った薬の発注や管理は、1948年のNHS Whalesの創設から70年以上たった現在も大きく変わっていない。DMTPの取り組みは患者や医療関係者に大きな影響を与えると確信している」

 Cardiff and Vale University Health BoardやCwm Taf Morgannwg University Health Boardといったウェールズ地域の一部の保健委員会はePMAに関するITベンダーを調達する過程にある。同地域内の他の保健委員会は完了のめどが立っているという。

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