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いまさら聞けない「VPN」の基礎知識 暗号化が必要になった理由は?VPN徹底解説【前編】

リモートアクセスを安全にする手段としてVPNは広く普及している。そもそもVPNはどのような技術で、どのような利点があるのか。

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 ネットワークチームが選択できるセキュアアクセスとデータ暗号化の技術は複数ある。そのうちVPN(仮想プライベートネットワーク)は、リモートアクセスを安全にする簡単な手段として定番となっている。VPNの利点と、必要になる理由を紹介する。

VPNが登場する「前」の企業はどうしていた?

 VPNを使う利点の一つは、インターネットを介して送信されるデータに部外者がアクセスするのを防げることだ。VPNが登場する以前、企業は外部からのデータアクセスを防ぐ手段として、専用線を利用していた。インターネットを利用すれば専用線に比べてコストを削減できる。だが安全とは言えないため、VPNが必要になる。

 VPNを利用すれば、インターネットを介した通信が手軽に安全になる。VPNベンダーは一般的に、さまざまなデバイスで利用できるようにVPNのアプリケーションを提供している。そのため、IT管理者は「Windows」「Linux」「Android」「iOS」といったクライアントOSの種類を気にせずVPNを導入可能だ。VPNはこうした特性があるため、自宅や出張先で働く従業員と企業ネットワークを安全に接続できる。

 公衆無線LANを利用する時に、その通信が暗号化されてない場合、通信が盗聴され第三者にデータを盗み見られる危険性がある。クライアントデバイスにインストールされたVPNアプリケーションを使用すれば、デバイスから目的地までのデータを保護できる。

 VPNを利用すると、接続のたびに異なるIPアドレスから接続することになる。IPアドレスが変わることで、匿名性が向上し、サイトの利用状況を外部から追跡されにくくなる。

 Webサイトによっては、同じ国からのアクセスしか許可していない。Webサイトは国をIPアドレスで判断しているため、VPNを利用してその国のVPNサーバから接続することで、その国でしか見ることのできないコンテンツに触れることができる。

 企業がVPNを導入する方法としては、自社でVPNサーバを購入して運用する方法と、サービスプロバイダーが提供するVPNサービスを契約する方法がある。

 VPNサービスを借りる方法の利点は、企業のネットワーク担当者をVPNのメンテナンスという作業から解放できることだ。一方、自社でVPNを構築する利点は、要件に合わせて設定をカスタマイズできることだ。


 後編ではVPNのプロトコル別に長所と短所を解説していく。

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