Windowsで安易に触れちゃいけない「レジストリ」の内部構造とは何か?:レジストリ構造と最適化のこつ【第1回】
Windowsのレジストリには、Windowsのシステムに関するさまざまな設定情報が記録されている。安易に変更することはお勧めできないが、何らかの改善をする上でその構造や内容を知っておくことが重要だ。
MicrosoftのクライアントOS「Windows」のレジストリは、Windowsのシステムやアプリケーションに関する設定情報を含むデータベースだ。レジストリを不適切に変更をするとWindowsが正常に動作しなくなる場合がある。
レジストリに変更を加える際は、レジストリを整理整頓するためのツールである「レジストリクリーナー」やレジストリ編集ソフトウェアを使い、できるだけ手動の作業を避けて人的ミスを引き起こさないようにするのが望ましい。
レジストリクリーナーのようなツールを使用してレジストリに変更を加える場合でも、まずはレジストリの役割や内部構造を知っておくことが欠かせない。
安易に触れたら駄目? レジストリの内部構造とは
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階層的なデータベース構造となっているレジストリの最上位には、レジストリのセクションである「ハイブ」が5つある。レジストリは「キー」「サブキー」「値」という要素によって構成される。
Windowsの「レジストリエディター」というツールを使ってレジストリを操作することができる。タスクバーの検索ボックスに「regedit」と入力することでレジストリエディターを開くことができる。そこで5つのハイブを確認できるはずだ(図1)。
HKEY_CLASSES_ROOT(HKCR)
ファイルの種類と、開く、印刷する、編集するといったファイル操作のプログラムを関連付ける設定。このハイブには通常、さまざまなキー、サブキー、値が含まれる。
HKEY_CURRENT_USER(HKCU)
サインイン中のユーザーに関連する情報。ユーザーごとに以下の設定を含む。
- セキュリティ識別子(ユーザーアカウントやユーザーグループに与えられる識別番号)
- 環境変数(OSの動作に関するさまざまな設定値)
- デスクトップ設定
- インストールされたアプリケーション
- ネットワーク接続
- プリンタの設定
- アプリケーションの設定
HKEY_LOCAL_MACHINE(HKLM)
Windowsが動作するハードウェアに関連する情報。以下の設定を含む。
- デバイスドライバの設定
- Windowsの設定
- デバイス列挙中に検出された仮想ハードウェアと物理ハードウェア
- セキュリティを管理する「Security Account Manager」(SAM)の設定
- セキュリティ設定
- コンピュータごとのアプリケーション設定
- システムの起動と動作に関する制御
HKEY_USERS(HKU)
実行中のWindowsのユーザーアカウントに関連する情報。以下の設定を含む。
- デフォルトユーザー(ユーザーアカウント作成前の既定のプロファイル)
- ビルトインアカウント(どのシステムにも存在するアカウント)
- サインイン中のユーザーアカウント
HKEY_CURRENT_CONFIG(HKCC)
現在アクティブなハードウェアに関する設定情報。
第2回は、Windowsのレジストリを編集することで何ができるのかを解説する。
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