2大開発手法を比較【前編】
いまさら聞けない「ウオーターフォール」と「アジャイル」の基本的な違い
代表的なシステム開発手法として、ウオーターフォール型開発とアジャイル型開発がある。それぞれどのようなルーツや特徴を持つのか、基本をおさらいしよう。
上流工程から下流工程へと順番に開発を進める「ウオーターフォール」型開発と、小規模な変更を短期間のうちに繰り返す「アジャイル」型開発は、どちらも代表的なシステム開発手法だ。それぞれの基本的なメリットとデメリット、を解説する。
「ウオーターフォール」「アジャイル」の特徴をおさらい
ウオーターフォール型開発
ウオーターフォール型開発は、もともと製造業や建築業の大規模プロジェクトを正確に進めるために生まれた手法だ。ソフトウェア開発が複雑化、大規模化するに伴い、同分野でも用いられるようになった。
ウオーターフォール型開発では、開発ライフサイクルを以下のように独立したフェーズに分割する。
- 要件定義
- 機能やデザインの設計
- プログラムの構築、実装
- テストと検証
- 本番稼働
- 継続的なメンテナンス
各フェーズの要件や作業範囲を明確化するため、進捗管理や予算の見積もりがしやすいというメリットがある。一方でデメリットとしては、仕様変更がしづらい、修正が発生した際の工数やコストが大幅にかかるなどの点が挙げられる。このような課題を克服するために編み出された手法がアジャイル開発だ。
アジャイル型開発
アジャイル型開発は、ソフトウェア開発にルーツを持つ。アジャイル型開発の価値観や原則を概説した文書「Manifesto for Agile Software Development」(アジャイルソフトウェア開発宣言)には、以下の内容が含まれる。
- プロセスやツールよりも、個人との対話を優先する
- 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを優先する
- 契約交渉よりも顧客との協調を優先する
- 計画に従うことよりも変化への対処を優先する
アジャイル型開発の代表的なフレームワーク(基本的な考え方や進め方)が「スクラム」だ。スクラムは、アジャイルソフトウェア開発宣言の署名者であるケン・シュウェーバー氏とジェフ・サザーランド氏が考案したもので、アジャイルの要素を以下のように取り入れている。
- 1カ月以上先の計画を立てない
- 2~4週間ごとに、実際に機能する製品をクライアントに共有する
- 開発期間中に、クライアントに製品のフィードバックを提供するように促す
- 開発者は短期的なゴールに向けて、日々計画を調整する
開発チームは、実際に機能するソフトウェアを定期的にクライアントに提供する。クライアントのフィードバックを受けたら、その内容を次のスプリント(短く区切った開発期間)までにシステムに反映する。
変化に柔軟に対処でき、修正が発生しても手戻り工数を抑えられるというのがスクラムのメリットだ。一方で日常的に要件が変わる可能性があるため、タイムラインや予算の見積もりを立てづらいというデメリットがある。
次回以降、アジャイル型とウオーターフォール型が適するケースについて詳しく解説する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
製品資料
[株式会社ウェーブスプリッタ・ジャパン] 100Gbps対応の光トランシーバーはどう選ぶ? 10分で分かる選定のポイント -
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込み開発の生産性と機密性を両立、自社環境で構築する「セキュアAI」活用術 -
製品レビュー
[ServiceNow Japan合同会社] 問い合わせの約9割を自動で解決、AI主導の自律型CRMがもたらす業務変革の全貌 -
市場調査・トレンド
[ServiceNow Japan合同会社] AI活用が業務自動化で止まる理由は何か? 調査で判明した課題と変革への道筋
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
3
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
4
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
5
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
6
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
7
マンガで解説:採択率は3割台? デジタル化・AI導入補助金申請の落とし穴
-
8
AWS障害でも補償ゼロの衝撃 サイバー保険で情シスが見落とす「細則の壁」
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー