Pythonのサンプルプログラムで分かる「if __name__ == “__main__”」の使い方:Pythonの「if __name__ == “__main__”」とは【後編】
「Python」のプログラミングで使われる「if __name__ == “__main__”」という構文は、何のためのものなのか。どう役立つのか。サンプルプログラムを使いながら、使うべき場面とそうではない場面を解説する。
プログラミング言語「Python」について調べていると、「if __name__ == “__main__”」という構文を目にすることがしばしばある。この構文は、プログラムが単体で実行されているのか、モジュール(再利用可能なソースコードのまとまり)としてインポートされたのかで結果が変わる。実際にプログラムを開発する上でどう便利なのかを、具体例と共に解説する。
具体的な使い分け方
以下のサンプルプログラムは、if __name__ == “__main__”の使用方法を説明するものだ。
def greet(name): print(f"Hello, {name}!") if __name__ == "__main__": # このブロックはプログラムを単体で実行したときにのみ実行される greet("Alice")
この例において1行目と2行目は、関数「greet()」を定義している。greet()は引数として受け取った値を変数「name」に代入し、nameを含む文字列を標準出力に表示する関数だ。4行目のif __name__ == “__main__”は、このサンプルプログラムが単体で実行されているかどうかをチェックする。もし単体で実行されているならば、nameに「Alice」という文字列を渡してgreet()を呼び出すのが5行目だ。別のPythonプログラムでモジュールとしてインポートされているならば、greet()はプログラム内で呼び出されない限り自動的に処理されることはない。if __name__ == “__main__”で条件を分岐させることによって、プログラムを単体で実行したときに処理すべき命令と、モジュールとしてインポートされたときに処理すべき命令を分離できる。
いつ使うのか
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連載:Pythonの「if __name__ == “__main__”」とは
- 前編:Pythonで目にする“謎”の構文「if __name__ == “__main__”」とは?
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Pythonについて学ぶ
「Pythonの流儀」に従うには、読みやすく、保守しやすいソースコードを記述するためのベストプラクティスと規約を守る必要がある。Pythonプログラムにif __name__ == “__main__”を含めることは必須ではないが、複数のコンポーネント(プログラムの一部として機能する部品)や単体で実行可能なファイルを含むプログラムでは、含めた方がよい。
使用することが望ましい場面
if __name__ == “__main__”を使うことで、「モジュール性」と「ソースコードの再利用性」を高めることにつながる。これはPythonの流儀に従っているといえる。if __name__ == “__main__”を用いたプログラムは、スタンドアロンプログラムとしても、他のプログラムからインポート可能なモジュールとしても利用可能だ。
if __name__ == “__main__”は、以下の3つの用法に適している。
- モジュールとしてインポートされたときではなく、スタンドアロンアプリケーションとして実行する場合にのみ実行されるソースコードを記述する
- ファイル内で定義した関数を検証するためのテストを作成する
- モジュールをインポートしたタイミングでは実行されないデモ用のプログラムをソースコードに含める
使用しなくてもよい場面
Pythonプログラムを実行するだけの場合、if __name__ == “__main__”は不要だ。PythonコミュニティーはAI(人工知能)や統計などのさまざまな分野で活用できるライブラリ(プログラム部品群)を提供している。そのため、初心者が自分でif __name__ == “__main__”を使って複雑な構造のプログラムを制御する必要はほぼない。
「Pythonのお作法」に慣れる
if __name__ == “__main__”構文のことを、Pythonを学び始めのうちは少し難解だと感じることがある。Pythonを使い続けるほど、この構文になじんでくるはずだ。
Python流のプログラミングに慣れれば、より効率的で多機能なアプリケーションを開発できるPython開発者になれる。Pythonで成功する鍵は、Pythonの原則とベストプラクティスを理解し、それに従うことだ。「Pythonの哲学」を学び、その知見をコーディングに活用し続けてほしい。
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