「AIの基本から応用」までをマスターできる“学習コース”5選:仕事に役立つ「AI」資格10選【後編】
AI技術関連の認定資格を持っておくと、今後のビジネス開発やキャリア形成に役立つ可能性がある。AI関連の知識とスキルを習得できる学習プログラムを5つ紹介する。
ビジネスにおける人工知能(AI)技術活用が進む中で、これから重要度が高まると考えられるのがAI技術関連の知識やスキルだ。今後は、AI技術関連の認定資格を持っていることがビジネスを開発したりキャリアを形成したりする上で有利に働く可能性がある。本稿はAI関連の認定資格を取得できる主要なコース10選のうち、後半の5つを紹介する。
6. Courseraの「Introduction to TensorFlow for Artificial Intelligence, Machine Learning and Deep Learning」
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連載:仕事に役立つ「AI」資格10選
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Courseraは誰でも受講可能な大規模公開オンライン講座(MOOC)を配信する団体。「DeepLearning.AI TensorFlow Developer Professional Certificate」コースは、教育ベンダーDeepLearning.AIの認定プログラムで、4つのモジュールで構成される。所要時間は約17時間だ。
主な学習内容
大規模なデータセットや複雑なタスクにも対処できる、スケーラブル(拡張可能)なAIアルゴリズムを構築したい開発者向けの内容となっている。具体的には、Googleが開発したオープンソースの機械学習(ML)ライブラリ「TensorFlow」を使用するためのベストプラクティス(最適な実施方法)を学習できる。
- TensorFlowで基本的なニューラルネットワーク(人間の脳の神経回路を模倣した、機械学習の要素技術)を作成する方法
- 画像処理を通じて対象の内容を認識して理解するAI技術「コンピュータビジョン」を使ったアプリケーションを作成するための、ニューラルネットワークのトレーニング方法
- 畳み込み演算を使用したニューラルネットワークの改善方法
受講資格
高校レベルの数学知識と、プログラミング言語「Python」でのコーディング経験が必要。深層学習(ディープラーニング)を含む機械学習の知識があればなおよいが、必須ではない。
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
7. Artificial Intelligence Boad Of America(ARTiBA)の「AiE Certification」
Artificial Intelligence Boad Of America(ARTiBA)は、AI分野の専門家認定や教育促進を目的とする米国の非営利団体。「AiE Certification」は、3つのトラック(コース)から選べるAI学習プログラムだ。
主な学習内容
認定資格取得者が技術者やチームマネジャーとして上級職に就けるよう、スキル開発や即戦力となる専門知識を学ぶ。
具体的には、以下のような機械学習に関連する広範な知識を学ぶ。
- 事前に人間が用意した正解データを基にする「教師あり学習」と、人間がデータにラベルを付ける必要がなく、自律的に学習する「教師なし学習」
- 独立変数と従属変数の間の関係を定量的に推計する「回帰分析」
- 強化学習
- ニューラルネットワーク
- コグニティブ(認知)コンピューティング
- ディープラーニング
- 人の思考、行動パターンをモデリングする手法「神経言語プログラミング」(NLP:Neuro-Linguistic Programming)
受講資格
トラック1なら準学士号、トラック2なら学士号、トラック3なら修士号を取得している必要がある。トラック1では、コンピューティングの特定領域や機能における最低2年間の職歴が必要。トラック2と3の場合、実務経験は必須ではないがプログラミングへの十分な理解が不可欠だ。
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
8. Udemyの「Artificial Intelligence A-Z 2024: Build 7 AI + LLM & ChatGPT」
オンライン学習サイト「Udemy」(ユーデミー)が提供する、約16時間のAIコース。
主な学習内容
AI技術に関する幅広い課題に対処できるように、AI技術の概念からトレーニング方法までを学習する。PythonでAIモデルを開発する方法や、Self Improving AI(自己改善型AI)のコーディング方法を、7種類のAIモデルの構築を通して学習する。
具体的には以下の内容を実践する。
- 自動運転車両向けにAIモデルをトレーニングする
- ゲームをプレイできるようAIモデルをトレーニングする
- AI技術を用いて現実の課題を解決する
- 最先端のAIモデルをマスターする
- 以下のような強化学習アルゴリズムについて学ぶ
- Q-Learning(Q学習)
- Deep Q-Learning(深層Q学習)
- Deep Convolutional Q-Learning(深層畳み込みQ学習)
- Asynchronous Advantage Actor Critic(A3C)
- Proximal Policy Optimization(PPO)
- Soft Actor-Critic(SAC)
- Metaの大規模言語モデル(LLM)「Llama 2」を用いて、「ファインチューニング」(独自トレーニング)を実施し、AIチャットbotを構築する
受講資格
機械学習やディープラーニングなどAI技術に関心のある人は誰でも受講できる。高校レベルの数学と基本的なPythonの知識が必要だが、コーディングの経験は必要ない。
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
9.Udemyの「Artificial Intelligence: Reinforcement Learning in Python」
Udemyが提供する「Artificial Intelligence: Reinforcement Learning in Python」は、強化学習をはじめとするAI技術やデータサイエンスについて学びたい学生や社会人を対象とする、約15時間のオンラインコース。
主な学習内容
以下のような内容で構成される。
- 教師あり学習手法の強化学習への適用
- 強化学習の技術や、心理学との関係性の理解
- 17種類の強化学習アルゴリズムの実装
- ソースコードを変更せずに強化学習用ライブラリ「OpenAI Gym」を使用する方法
- 統計的手法である平均値や移動平均の計算方法と、最適化アルゴリズム「確率的勾配降下法」(Stochastic Gradient Descent:SGD)の関係性
- 深層ニューラルネットワークや、その他の微分可能なモデルを強化学習アルゴリズムに組み込む近似手法
- 多腕バンディット問題(Multi Armed Bandit Problem)
- 探索と知識利用のジレンマ(Explore Exploit Dilemma)
- マルコフ決定過程(離散時間における確率制御過程)
受講資格
前提条件として、以下の知識とスキルを持つことが推奨される。
- 微分・積分(導関数)
- 「マルコフモデル」といった確率モデル
- 「勾配降下法」「線形回帰」といった機械学習アルゴリズム
- オブジェクト指向プログラミング
- データと処理(メソッド)をまとめた「オブジェクト」をプログラムの基本要素とする
- 教師あり機械学習
- Pythonライブラリ「NumPy」を用いたコーディング
- Python用描画ライブラリ「Matplotlib」
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
10. LinkedIn Learningの「Getting Started with AI and Machine Learning」
ビジネス向けSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)LinkedInは、オンライン学習サービスの「LinkedIn Learning」を提供している。「Getting Started with AI and Machine Learning」はAI業界の専門家が監修した約10時間の7つのコースで構成される。
学習内容
- AI技術の基礎と未来
- 大手企業がAI技術をどのように活用し、業務を変革しているか
- 説明責任やセキュリティ、透明性といったAI技術の課題の対処方法
修了要件
以下7コースを修了すると、LinkedIn Learningから修了証が授与される。
- Artificial Intelligence Foundations: Thinking Machines
- Machine Learning Foundations: Linear Algebra
- Deep Learning: Getting Started
- Building Computer Vision Applications with Python
- Reinforcement Learning Foundations
- Hands-On PyTorch Machine Learning
- Artificial Intelligence Foundations: Neural Networks
受講資格
経験不問。
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
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