仮想デスクトップを使うための「シンクライアントOS」の選び方:シンクライアントOSの役割【前編】
仮想デスクトップに接続するためのシンクライアントデバイスには、専用のOSが用意されている。どのような選択肢があり、その中から企業はどう選べばいいのか。
仮想デスクトップに接続するには、クライアントデバイスが必要になる。「シンクライアントデバイス」は、そのために設計されたデバイスだ。シンクライアントデバイスは、単に仮想デスクトップへの接続を可能にするだけではなく、さまざまな機能を持つ「シンクライアントOS」を搭載する。どのような種類や機能があり、企業は何を重視してシンクライアントOSを選定すればいいのか。
自社に合うシンクライアントOSはどれ?
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仮想デスクトップに接続するためのクライアントデバイスとしては、シンクライアントデバイスとゼロクライアントデバイスの2種類がある。ゼロクライアントデバイスは、OSやHDD、回転するパーツなどの可動部品を内蔵せず、ほぼ全ての処理をサーバで実行する。これに対してシンクライアントデバイスは、OSを搭載し、一部の処理をデバイスで実行する。
シンクライアントOSは、メモリや保存容量といったリソースを通常のOSほど必要としない。そのため、シンクライアントOSを古いデバイスにインストールすることで、シンクライアントデバイスとして再利用できる。以下に主要なシンクライアントOSの特徴と、具体的な製品例を示す。
- 特定のシンクライアントデバイスや、「VMware Horizon」「Citrix Virtual Apps and Desktops」といったデスクトップ仮想化製品に特化したクライアントOS
- 「HP ThinPro」など。
- シンクライアントデバイス向けの「Windows」
- Microsoftが提供する「Windows IoT Enterprise」(旧「Windows Embedded」)など。
- OS「Linux」のシンクライアントデバイス向けディストリビューション(配布パッケージ)
- 「ThinStation」「IGEL」など。
- USBポートやCDドライブに挿入されたデバイスなど、物理的にシンクライアントデバイスに接続された周辺機器にアクセスできる。
シンクライアントOSは、メモリやCPUなどのリソース要件、ハードウェアの互換性、管理機能、セキュリティ、連携可能なデスクトップ仮想化製品といった観点から選ぶとよい。一部のベンダーは、企業のニーズに応じて特定の製品/サービスと連携できる、ベンダー独自のシンクライアントOSを提供している。
次回は、シンクライアントOSが仮想デスクトップにもたらすメリットを紹介する。
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