汎用人工知能(AGI)で“人類は衰退”、そして生まれる「第二の人類」:人類の英知をしのぐ存在
汎用人工知能(AGI)が人類の生存を脅かすという議論がある。AIの専門家はAGIの制御は困難だと指摘する。AGIが完成した未来に誕生する、「人類の後継者」とは。
「汎用(はんよう)人工知能」(AGI)は、人間の認知能力を再現し、人間と同じようにあらゆるタスクを実行できる人工知能(AI)技術を指す。ダニエル・ファゲラ氏は、AGIは人類が想定しているよりも早く実現し、社会を取り仕切るようになると主張する。その先には、“人類の後継者”が待ち受けている。
AGIによる人類滅亡と、誕生する「第二の人類」
ファゲラ氏は、企業のAI活用とROI(投資利益率)に特化した出版や市場調査を実施するEmerj Artificial Intelligence Researchの創業者兼CEOを務める。「AGIが実現すれば、人類が滅亡する日は近い」。ファジェラ氏は米TechTargetが運営しているポッドキャストシリーズ「Targeting AI」でこう語る。
ファジェラ氏によると、AGIは社会のさまざまなシステムを乗っ取る可能性があり、それを人類が制御することは困難だ。人類が滅亡するのであれば、そのためのより良い方法を模索することは、人類に与えられた一つの選択になると同氏は主張する。
「複数のAIモデルを使って、人類の代わりにさまざまなタスクを自動的に実行するAIエージェントが日常に存在する社会と、そこで発生する人類とAIエージェントの相互作用は、人類に大きな変化をもたらす可能性がある」。ファジェラ氏はこう説明する。
ファジェラ氏は、AGIが生み出す「人類の後継者」にも言及している。同氏が示す人類の後継者は「人類よりも高い能力や知性、生存能力、道徳的価値を持ち、人類に代わってその役割を担うことができる存在」だ。
「人類の後継者は地球とは異なる銀河に移住し、そこを植民地化したり、人類が理解していない他の次元に移動したりする可能性がある。現在の科学では解明できていない宇宙空間のある部分を探索する可能性もある」。人類の後継者が暮らす未来についてファジェラ氏はこう説明する。
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