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「Git×ネットワーク管理」がさらにはかどる“無料ツール”はどれ?:ネットワーク管理でGitを活用【後編】
ネットワーク管理で「Git」を使う際、その実力を引き出すさまざまなオープンソースツールを活用できる。ネットワーク管理に役立つツールと、Gitの利点および欠点、従うべきベストプラクティスをまとめた。
バージョン管理システム(VCS)である「Git」は、ソフトウェア開発で普及しているオープンソースツールだ。ただしGitが活躍する場はソフトウェア開発だけではない。ネットワーク管理もその一つだ。Git以外にも、ネットワークやインフラ管理に役立つ無料のオープンソースツールは複数ある。どのようなツールがあり、どう活用できるのかを見ていこう。
「Gitによるネットワーク管理」に役立つ無料ツールは?
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以下に、それぞれのツール名と役割を列挙する。
- Git
- 高速かつスケーラブルな分散型VCS。
- ソースコードや設定の変更を追跡する。
- Ansible
- システムの構成と管理に役立つ自動化ツール。
- ネットワークデバイス、サーバ、クラウドサービスでのタスクを自動化できる。
- Python
- ネットワーク自動化で主流のプログラミング言語。
- 明快な構文、可読性、優れたデバッグ機能といった点で人気を博している。
- CLI(コマンドラインインタフェース)
- エンドユーザーがコマンドを用いてPCを操作するための一般的なインタフェース。
- Gitは標準ではCLIで使用することが想定されている。
Gitは、ソースコード管理を支援するためにこれらのツールと連携できる。例えばAnsibleにおいて、Gitを使ってリポジトリからソースコードを取得するといった自動ワークフローを設計可能だ。
Gitの利点
Gitが分散型VCSとしてネットワーク管理者や開発者から支持を得ている主な理由は以下の通りだ。
- 処理速度とスケーラビリティに優れる
- ソフトウェア開発分野において、VCSとしての地位を確立している
- 豊富なドキュメントがある
- 巨大なコミュニティーがある
- 世界中にメンバーが分散しているチームが、共同作業をする上でブランチ機能が役立つ
- オープンソースであり、無料で利用できる
Gitの欠点
複数の利点がある一方で、Gitには幾つかの欠点もある。
- ソフトウェア開発の考え方になじみのないネットワーク管理者が、使い方を学ぶのは簡単ではない
- ツール、専門用語、機能、手順を理解するには訓練が必要になる
- リポジトリの容量が膨れ上がり、ストレージを大量に消費する可能性がある
Gitのベストプラクティス
ネットワーク管理者がGitで作業する際に従うとよいベストプラクティスを以下に挙げる。
- リポジトリを設定する
- ブランチに命名規則を策定する
- メインブランチの変更を保護する
- コミットメッセージの標準を策定する
- タグを使用する
- 変更をマージ(統合)する際に「プルリクエスト」を使用する
- プルリクエストは、他のエンドユーザーに対して変更をレビューしてもらうためのリクエスト。レビュー担当者は結果に応じて、変更担当者に修正を依頼する。変更内容に問題がなくなった段階で、マージ担当者は変更をマージする。
Gitは強力なツールだ。ネットワークでは自動化とソフトウェアが存在感を増しているため、複雑なインフラを管理するネットワーク管理者にとっては、Gitを使う能力が重要なスキルとして浮上する可能性がある。
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