IOWNの正体に迫る【中編】
NTTが掲げる「IOWN」 次世代通信インフラ“普及の鍵”は?
IOWNはフォトニクス技術をベースとした新たなネットワーク構想だ。さまざまな企業が支持を表明している。普及に必要な取り組みは何か。
NTTは光ベースの技術によるネットワーク構想「IOWN」を掲げている。世界各国の通信機器ベンダーや半導体ベンダー、通信事業者がIOWNを支持している。フォトニクス(光学)ベースの技術を利用した次世代の通信インフラによって、既存のインターネットサービスに比べて速度や容量、遅延を改善したインターネットサービスを目指す。NTTやIOWNを支持する企業は、どのようにIOWNを広げていこうとしているのか。
「IOWN」普及に必要なものとは
併せて読みたいお薦め記事
連載:IOWNの正体に迫る
2030年に実現?6Gの可能性
IOWNはフォトニクス(光学)ベースの技術を用いた「オールフォトニックスネットワーク」(APN)による通信インフラの実現を推進している。
APNには以下の要素技術が盛り込まれている。
- シリコンフォトニクス(シリコン基板上に光の回路を構築する技術)
- エッジコンピューティング
- 分散コンピューティング
NTTはIOWNの普及のために、具体的な技術ロードマップを策定し、技術開発を促進する必要があると考えている。同社によると、ロードマップを作成することで、分散型コンピューティング技術をIOWNへ取り入れる動きが加速する。広範なテクノロジー企業からの賛同を得ることにもつながる。
この目的のため、NTTと主要なパートナー企業は業界団体の「IOWN Global Forum」 を設立した。IOWN Global Forumに参加している企業には通信機器ベンダーのNokiaやEricsson、半導体ベンダーのNVIDIAやIntel、通信事業者のKDDIや中華電信の他にユーザー企業も参加している。
NTTは「IOWN Global Forumは単なる技術グループや技術プロジェクトのフォーラムではない」と強調している。目標が明確であり、実際の展開とユースケースを重視してユーザーに直接働きかけることを重視しているという。
2024年4月 、IOWN Global Forumはカナダで年次会議 を開催し、以下の内容を明らかにした。
- プロジェクトの進捗状況
- 見込まれる技術的進歩
- IOWN関係のエコシステム(複数の企業による共存共栄の仕組み)の拡大
- 主要なステークホルダーにとってのIOWNの意味
約140社から代表者が参加したセッションでは、IOWN Global Forumのミッションと取り組みに関する知見が提供され、以下の内容が示された。
- 2030年の基本的なビジョン
- フォトニクスによって推進されるより安全で持続可能な世界に向けた準備の方法
- オープンソースコラボレーションがいかにして将来の通信インフラを牽引する鍵になるか
- IOWN技術が2030年までにどのように出現し、何を達成する可能性があるか
通信機器ベンダーEricssonのインプリメンテーションコンポーネント部門のトップ兼IOWN Global Forumでマーケティング運営委員会の議長を務めるゴンザロ・カマリロ氏は「IOWNは決して大風呂敷を広げているわけではないことを通信業界に伝えるべきだ」と述べた。
IOWN Global Forumには、技術の開発や展開に関わる企業に加えて、応用研究に携わる人も参加している。
次回はIOWNのユースケースを考察する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ファインディ株式会社] AI利用率だけでは説明できない成果 開発組織の競争力を生む「開発資本」とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI活用を成功へ導く、シンプルで費用対効果に優れたクラウド基盤とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] マネージドKubernetesには限界も――メリットをフル活用する新たな選択肢とは? -
技術文書・技術解説
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 決断の日が迫る「vSphere 8」サポート終了問題 考慮すべきリスクと選択肢は? -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] メール誤送信対策のルールが肥大化 苦しむ情シスはどうすれば救われるのか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
3
AI時代のITインフラ戦略とは? 販売代理店が知っておきたい最新トレンド
-
4
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
5
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
-
6
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
7
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
8
積水化学が挑む「データ経営」の核心:SAP S/4HANA Cloud導入の狙いとは
-
9
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
10
SAP移行の改修工数を最大87%削減 AWSのAIエージェント実験で分かった限界
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
8
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
9
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
10
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー