「MVP」は“最優秀選手”じゃなかった? 誤解しがちなIT用語:ソフトウェア開発の用語11選【第4回】
ソフトウェア開発でよく使われる「PoC」「MVP」「POS」といったIT用語だが、他の用語や意味と混同してしまうこともある。あらためてその意味や使い方をおさらいする。
「PoC」「MVP」「POS」といったIT用語はソフトウェア開発意外の場面でもよく使われる。一方で、その意味を正しく説明できなかったり、他の用語と混同してしまったりする人もいるようだ。あらためておさらいしよう。
「PoC」「MVP」「POS」をあらためて解説
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連載:ソフトウェア開発の用語11選
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ITの基本をおさらい
PoC
PoCは「Proof Of Concept」の略称で「概念実証」の意味。アイデアや構想が実際に動くかどうかを確認するために、簡単なプログラムを作成して試用すること。新しい技術やアイデアを採用する前に、「まずはPoCを作ってみよう」と、実現可能性を確認するために使われる。
基本的にPoCでは、ハッピーパス(エラーや例外を考慮しない理想的なシナリオ)のプログラムをテストする。洗練されたUI(ユーザーインタフェース)は不要で、PoC段階のアプリケーションが顧客にリリースされることはない。
MVP
MVPは「Minimal Viable Product」の略称で、「実用最小限の製品」の意味。混同しやすいのがスポーツ界のMVP(Most valuable Player)で、こちらはチームやリーグにとって最も価値の高いプレーヤー(「最優秀選手」とも)を指す用語なので注意が必要だ。
ソフトウェア開発におけるMVPは、ユーザーに必要最小限の価値を提供できるプロダクトを指す。MVPで目指すのは完璧なプロダクトではなく、顧客の要件を満たす最低限の機能を提供することだ。顧客から得たフィードバックは、改善に役立てる。
MVPではバグがないことや、洗練されたUIなどが求められる。そのためPoCに比べて、品質基準や機能基準がはるかに高くなる。
POS
POSは「Point Of Sale」の略称で、販売時点情報管理、つまりレジを意味する。基本的にはキャッシュレジスターを指すが、スマートフォン、モバイル端末、組み込み型機器など、製品を決済するための機械やシステムをPOS機器と呼ぶ。
一方で、小売業界でのソフトウェア開発者にとって、POSは単なるレジだけでなく、商品の販売や支払い、在庫管理、顧客管理など、店舗運営全般をサポートする複雑なシステムを指す。
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