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“年収2000万円”を超える「ITエンジニア職種」はこれだ「稼げるIT系職種」9選【前編】

技術の進化に伴い、IT市場で求められるスキルも変化している。近年需要が急増しており、高収入が期待できるIT系職種を紹介する。

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 キャリアを考えるに当たり、市場のニーズを考慮することは非常に重要だ。特に近年、人工知能(AI)技術の台頭や、相次ぐレイオフ(一時解雇)といった動きが出ている中で、市場の動向を踏まえることは一段と重要になっている。本連載は、2024年に需要が伸びると見込まれるIT関連の職種を9つ紹介する。年収2000万円超えも狙えるのはどの職種なのか。需要が見込まれる理由と併せて、それぞれの職務内容や求められるスキル、キャリアパスなどを紹介する。

年収2000万円を超える「ITエンジニア職種」3選

1.ITマネジャー

 最高情報責任者(CIO)、最高技術責任者(CTO)、情報システムマネジャー、ITディレクターなどが当てはまる。こうしたITマネジャー職は、業界に関係なく、どの企業にも必要な役職だ。米国労働省労働統計局(BLS)によると、米国における同職の給与(2023年の中央値)は16万9510ドル(約2400万円)だった。

 ITマネジャーは、組織における短期、長期の技術戦略策定を担う。職務内容には以下のような事項が含まれる。

  • 経営層や上級管理職と協力して製品の選定などの意思決定をする。
  • 主要ベンダーとの関係を維持管理する。
  • ソフトウェアやハードウェアのアップグレード状況を管理する。
  • セキュリティをはじめとするITの重要領域を監視する。

 ITマネジャーに必要なスキルとして、以下のようなものがある。

  • 計画策定のための戦略的思考
  • チームを率いるリーダーシップ
  • 複数のプロジェクトを管理するスキル
  • 関係者とのコミュニケーションスキル
  • プレッシャーやストレスへの耐性
  • 他部署と効果的に連携するコラボレーション能力
  • 幅広い技術スキル
  • コンピュータサイエンスの専門知識
  • 技術や市場トレンドについての深い知識

 ITマネジャーは中級レベルから上級レベルの職務であり、IT領域における数年の実務経験が求められる。コンピュータサイエンスの学士号を取得していることが一般的で、修士号を取得している場合もある。

 BLSの予測によると、米国では2023年から2033年にかけて、ITマネジャーの雇用数は17%増加し、毎年約5万4700件の雇用が生まれるという。背景には、あらゆる業界でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでおり、企業が技術を効果的に利用、管理することを支援する人材の需要が高まっている状況がある。特に小売業といった機密データを扱う業界では、セキュリティに関する知識を持つ人材が求められている。

2.機械学習(ML)エンジニア

 機械学習(ML)エンジニアもしくはAIエンジニアは、コンピュータプログラムやマシンが、人間の思考をシミュレートするための技術を開発する。求人サイトを運営するIndeedによると、米国における2023年の平均給与は16万5245ドル(約2360万円)だった。

 職務内容は多岐にわたる。具体的には以下のようなものが含まれる。

  • AIモデルのトレーニングと評価
  • トレーニングデータの品質検証
  • 大規模データセットの分析

 MLエンジニアには以下のようなスキルが求められる。

  • 機械学習や深層学習(ディープラーニング)を含むAI技術の専門知識
  • オープンソースの機械学習ライブラリ「TensorFlow」の使用経験
  • 自然言語処理に関する経験
  • プログラミング言語「Python」の知識
  • アルゴリズムの使用経験
  • オブジェクト指向設計原則や機能設計原則の知識
  • 「RESTful API」の開発経験
    • RESTful APIとは、Webアプリケーション設計のモデル「REST」(Representational State Transfer)を実装するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)のこと。
  • データベース管理システム(DBMS)の「NoSQL」(Not Only SQL)を設計した経験
  • リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の設計と最適化の経験

 MLエンジニアは、少なくともコンピュータサイエンスの学士号を取得しており、アルゴリズムと関連ツールの利用経験を持っている必要がある。ただし雇用主は、修士号以上の学位を持つ人材を希望することがある。

 2019年から2023年にかけて米国で最も成長している25個の職種をまとめたLinkedInの「Jobs on the Rise 2024」では、MLエンジニアが取り上げられている。その需要はITから製造、運輸まで、幅広い業界に広がっている。

3. サイト信頼性エンジニア(SRE)

 サイト信頼性エンジニア(SRE)は、Webサイトや業務アプリケーションを円滑に動作するように保証する役割を担う。ソフトウェアエンジニアリングのスキルを用いて、運用やアーキテクチャに関する問題を解決する。Indeedによると、米国における同職の給与(2023年の中央値)は推定14万1723ドル(約2000万円)だった。

 通常SREの業務は、自動化やスケーリング、新機能の構築といった開発業務と、運用上の問題に対処する技術的なトラブルシューティングに分かれている。

 SREに求められるスキルは以下の通り。

  • ソフトウェア開発の包括的な知識
  • Pythonや「Java」などのプログラミング言語におけるコーディングスキル
  • 主要OSとその管理に関する深い知識
  • DevOps(開発と運用の融合)エンジニアリングの手法に関する知識
  • ネットワーク、負荷分散、プロトコル群「TCP/IP」、DNS(ドメインネームシステム)についての知識
  • サーバ、ストレージ、仮想化、ネットワーク監視についての深い知識

 SREにはコンピュータサイエンスの学士号と、一定の実務経験が求められることが一般的だ。SRE職の要件は企業によって異なるが、大半の求人では、スケーラブルなサービス環境をサポートする実務経験とコーディング経験が求められる。

 LinkedInの調査によると、米国におけるSRE関連職の求人数は、2015年から2019年にかけて年間34%の成長を遂げている。「Jobs on the Rise 2022」では、SREは米国で最も成長している職種の21位に位置付けられている。


 次回以降も引き続き、高い収入と需要の伸びが見込めるIT系職種を紹介する。

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