印刷サーバをなくす「ユニバーサルプリント」は「普通の印刷」と何が違う?:Microsoftの「ユニバーサルプリント」とは【前編】
クラウドサービスの拡大や業務デバイスの多様化を受けて、企業は従来のオンプレミス印刷インフラからの脱却を迫られている。そうした企業のためにMicrosoftが提供する「ユニバーサルプリント」とは。
新しいデバイスやワークフローを古いプリンタと連携させるのは概して骨が折れる。オンプレミスの印刷サーバを運用して、信頼性やセキュリティ、アクセス制御に関する問題を解決するには労力が必要だ。従来はオンプレミスシステムのツールを使ってプリンタを管理するしかなかったが、近年になって新たな方法が登場している。
Microsoftが提供するプリンタサーバのクラウドサービス「ユニバーサルプリント」(Universal Print)は、そうした解決策の一つだ。印刷インフラをクラウドサービスに移すことで、プリンタの管理にまつわるどのような問題に対処できるようになるのか。
「ユニバーサルプリント」は「普通の印刷」とどう違う?
ユニバーサルプリントは、エンドユーザーとIT管理者の印刷に関する作業を簡略化することを目的とするサービスだ。Microsoftが同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」内にプリンタサーバを配備してサービスを提供するため、管理者は自社でプリンタサーバを運用する必要がなくなる。
印刷インフラのクラウド化は、インフラをオンプレミスシステムからクラウドサービスに移行する以上の意味を持つ。テレワーク用に最適化された業務デバイスは、セキュリティやネットワークの設定が制約になって、オフィスのプリンタを検出できない場合がある。ユニバーサルプリントはクラウドインフラ経由で印刷ジョブをオフィスのプリンタに送信することによって、そうした技術的な問題を解消する。
ユニバーサルプリントを用いることで、企業はネットワーク経由でプリンタを一元管理可能だ。100万台というプリンタ登録台数の上限は、複数拠点に対する大規模なプリンタの配備と管理を支援する。プリンタが地理的に分散していても、単一のコンソールで全てのプリンタを管理できるようになる。
次回は、ユニバーサルプリントのメリットとデメリットを解説する。
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