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「Hyper-V」や「仮想マシン」を放置すると起きる“恐るべき問題”とはHyper-Vのトラブルを防ぐ方法【前編】

Microsoftの「Hyper-V」を適切に管理せず、放置すると、さまざまなトラブルの原因につながる。どのようなトラブルが想定できるのか。どのように管理すればいいのか。

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 Microsoftのハイパーバイザー「Hyper-V」のトラブルを未然に防ぎ、処理速度や安定性を維持するには、管理者による定期的なメンテナンスが必要だ。仮想マシン(VM)の性能を引き出したいのであれば、Hyper-Vも含めた仮想化基盤の監視と管理が必要になる。仮想化基盤を放置するとどうなるのか。どのように監視し、管理すればいいのか。

仮想化基盤を放置すると起きる問題とは

 VMを放置するとさまざまな問題が発生する可能性がある。その一例として、ドライバの更新が遅れたり、最適ではないデフォルト設定を適用したりする問題がある。

 ネットワークドライバの選択は重要だ。仮想化環境向けに設計されたドライバである「パラバーチャルドライバ」(準仮想化ドライバ)を使用することで、ネットワークの遅延や転送速度が改善する可能性がある。確認すべきポイントの一つだ。

 一つ一つの問題が軽微だったとしても、複数の問題が組み合わさると、Hyper-V環境の処理速度や信頼性を損なう可能性がある。複数の問題を放置すると、時間が経つにつれてVMのディスク(ストレージ)が断片化し、データが連続していないセクタ(データを読み書きする最小区画)に分散することで処理速度が低下する可能性がある。ディスクの断片化はSSDでは起きにくいが、HDDでは要注意だ。

 以下にHyper-Vを利用した仮想化基盤を適切に運用するための方法を幾つか紹介する。

Hyper-Vのパッチ適用

 あらゆるソフトウェア製品と同様、Hyper-VとVMにもパッチ適用が必要だ。

 パッチ適用のポイントは、Hyper-Vホスト(Hyper-Vを稼働させるサーバ)とVMの更新スケジュールを分けることだ。Hyper-Vホストのシャットダウンや再起動によって稼働中のVMが全てダウンすることは、管理者が最も避けたいことだ。

 Hyper-Vホストに不適切なパッチが適用されると本番環境のVMに影響を与える可能性があるため、管理者はダウンタイムを避けるためにテスト環境でパッチを適用するべきだ。計画を立てることで、これらのインシデントの可能性を減らし、不必要なトラブルを避けることができる。

VMの性能を引き出す

 適切な設定により、展開できるVMの数やVMの処理速度や応答時間などのパフォーマンスが変わることもある。例えば、仮想マシンからHyper-Vホストに通信できるようにする「Hyper-Vゲストサービス」(Hyper-V統合サービスと呼ばれることもある)の使用だ。 Hyper-Vゲストサービスにより、仮想マシンと物理サーバ間の転送速度などの連携が強化され、UX(ユーザー体験)の向上につながる可能性がある。

 VMに不必要なハードウェアが接続されていないかどうかを確認してほしい。必要のないサウンドカード(音響信号の入出力を付与または強化する回路)やディスクアダプター、CDが接続されていることがある。これらはRAM(ランダムアクセスメモリ)とCPUのリソースを消費するため、積み重なるとVMの処理速度や応答時間に影響を与える。再起動時の不慮のトラブルにもつながる。

 管理者次第だが、VMの自動再起動機能を無効にするべき場合がある。何十ものVMが一度に再起動すると、ストレージに負荷がかかり、I/O(データの入出力)の問題を引き起こす可能性がある。管理者がVMを手動で順番に起動することでこの問題を回避できるが、Hyper-V ホストを再起動するとVMも連動して再起動してしまう。設定を変更して起動の時間を調整することで、リスクを軽減できる。


 次回は仮想化基盤のメンテナンスで注意すべきポイントを解説する。

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