「Wi-Fi」と似ているようで違う無線規格「Li-Fi」とは何か?:第2のWi-Fi「Li-Fi」を学ぶ【前編】
無線通信の種類は幅広く、「Wi-Fi」や「Bluetooth」以外にもさまざまな規格がある。光を使った「Li-Fi」は、Wi-Fiにはないさまざまな特徴を持っている。
現代では、無線LAN規格の「Wi-Fi」や、近距離無線通信規格の「Bluetooth」などの技術が業務用や個人用の通信インフラに深く組み込まれている。これに対し、IoT(モノのインターネット)に特化している広域通信用の規格「LoRaWAN」(Long Range Wide Area Network)のように、実用性に富み、技術的関心のある人にしか知られていない無線技術もある。
光でデータを送信する無線技術「Li-Fi」(Light Fidelity)もLoRaWANのようにニッチな技術だが、さまざまな特徴を持つ期待の技術だ。Li-Fiについて基礎から理解を深めよう。
「Li-Fi」とは何か
Wi-Fiは電波と呼ばれる電磁波の一種を利用する。電波は電磁波の中で波長が比較的長く、障害物を回り込み、広い範囲に届く。それに対してLi-Fiは可視光線や近赤外線といった光を使って情報をやりとりする。光と電波はどちらも電磁波だが、波長や直進性、届く範囲が異なる。
Li-FiではLED(発光ダイオード)電球などの光源の光を点滅させ、その点滅パターンに情報を乗せて通信する。Li-Fiに準拠したデバイスは近くのアクセスポイント(AP)に接続して、そこからローカルネットワークやインターネットの宛先に到達する。
Li-Fiの用途
Li-Fiは基本的にポイントツーポイント(2拠点間接続)で相互接続する。企業はLi-Fiを主に次の用途に利用できる。
- 自宅や職場でのクライアントデバイスの無線アクセス
- 例えば病院、航空機、軍事施設など無線の局所的な利用が有益な場所
- 水中探査
- Wi-Fiが必要な信頼性や帯域幅を提供できない拡張現実(AR)技術や仮想現実(VR)技術のアプリケーション
次回はLi-Fiの利点と課題を解説する。
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