FinTechへの投資は2025年後半に持ち直す? その根拠とは:「厳しい時代」を迎えたFinTech
KPMGによると、FinTech企業への投資は2025年後半に回復する可能性がある。回復の兆しが見える背景には、どのような要因が考えられるのか。
FinTech(金融とITの融合)への投資は、2025年後半に回復する可能性がある。コンサルティング企業/国際会計事務所KPMGによると、英国のFinTech企業への投資額は2024年、前年比で4分の1以上減少したが、回復の兆しが見えているという。
回復の兆しが見える背景とは?
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FinTech業界の動向
KPMGによると、2024年の英国のFinTech企業への投資額は99億ドルだった。前年の136億ドルから27%減少した。2024年の欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域での総投資額は203億ドルで、前年の276億ドルから減少した。
FinTech業界の専門家クリス・スキナー氏は、「FinTech業界は厳しい時代を迎えている」と語る。「FinTech業界は2023年に打撃を受け、投資額は2022年に比べて48%減少した。2025年を迎え、さらに減少した」(同氏)
KPMGは、地政学的な不確実性、高水準のインフレ、高金利が「英国のFinTech投資の低迷につながった」と指摘する。同社の英国FinTech担当リード兼パートナー、ハンナ・ドブソン氏は「2024年はFinTech投資にとってまたも厳しい年となり、事業の失敗や統合が相次いだ」と指摘。「利益の追求とコスト管理に焦点が当たり、長期的にはより持続可能な事業、売却可能な事業への投資が進む」とみる。
さらにドブソン氏は、「2025年前半の投資額は、低調なまま推移する」と予測する。しかし「金利が低下するにつれ、2025年後半に回復し始める可能性がある」との見方を示す。
世界全体のFinTech投資にも「明るい兆し」
投資が減少したのはEMEAだけではない。世界的に見ると、2024年のFinTech企業への投資額は950億ドルと、2023年の1137億ドルから7年ぶりの低水準に落ち込んだ。
KPMGの金融サービス部門グローバル責任者および英国責任者、カリム・ハジ氏は、幾つか「明るい兆し」もあると述べる。ハジ氏は「決済分野やRegTech(金融業界の規制への対処を効率化する技術)に注目が集まっている」と指摘する。決済分野における世界全体の投資額は、2023年の約172億ドルから2024年には310億ドルに成長した。
ハジ氏は「金利の引き下げや資金調達コストの低下により、さまざまな取引が成立し始めている」と述べる。一方、国際貿易の変化がインフレや金利、市場の変化にどのような影響をもたらすかは分からないと付け加えた。
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