「サブネット」の理解に欠かせない「IPアドレス」と「サブネットマスク」とは?:サブネットをマスターする【前編】
ネットワーク管理者はさまざまな目的でネットワークを細かいサブネットに分割する。サブネット化の前に理解すべき基本的な知識を確認しよう。
ネットワーク管理者にとって、ネットワークをより小さな単位「サブネット」に分割するサブネット化は、オンプレミスインフラでもクラウドインフラでも重要な仕組みだ。サブネット化のプロセスを深く理解するために、IPアドレスとサブネットマスク(IPアドレスのうち、ネットワークアドレスとホストアドレスを識別する数値)の基本を確認しよう。
サブネットを作るなら理解しておきたいIPアドレスの構造
IPアドレスの基本
IPアドレスは、ネットワークのデバイスを一意に識別するための数値だ。デバイスはIPアドレスによってデータの送受信先を特定するため、通信にIPアドレスは必要不可欠だ。IPアドレスには、2種類のバージョン「IPv4」と「IPv6」があり、それぞれ構造が異なる。
IPv4は、32bitの数値を4つのオクテット(8bitの集合)に分けて表す。各数値は0から255の範囲で「192.168.1.1」のように表記する。特定の数値は用途が決まっており、使用が禁止されていることもある。
IPv6は、IPv4の4倍に当たる128bitの長さを持つ。この128bitは、16bitごとに8つのフィールドに分割され、各フィールドは0から9とAからFまでの16個の文字を使った16進数で、例えば、「2001:0db8:0000:0000:0000:ff00:0042:0000」のように表記する
サブネットマスクの基本
サブネットマスクはIPv4のIPアドレスを使用している場合のみに使用する32bitの数値だ。IPアドレスが属するネットワークを識別するための「ネットワーク部」とネットワーク内のコンピュータを識別するための「ホスト部」を区別するために利用する。
サブネットマスクは8bitずつ4つのオクテットに分割して、0から255の範囲の10進数で「255.255.255.0」のように表記する。この4つのオクテットを2進数に変換した際に、「1」がネットワーク部、「0」がホスト部になる。
IPv6では、ネットワーク部とホスト部を区別するために、サブネットマスクの代わりに「プレフィックス長」を使用する。これはネットワークアドレス部が先頭から何bitであるかを示すもので、CIDR(Classless Inter-Domain Routing)表記でIPアドレスの後に「/」とbit数を付けて表す。例えば「2001:db8::/64」といった形だ。この例では「/64」がプレフィックス長であり、先頭の64bitがネットワークアドレス部であることを示す。
次回はクラウドインフラでサブネットを作成するときのポイントを説明する。
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