AIで進化するSIEM【後編】
攻撃者に一歩先んじる防御を実現 SIEM×AIがもたらす“セキュリティ革命”とは
脅威検出ツール「SIEM」に人工知能(AI)技術を組み込めば、どのようなことが可能になるのか。セキュリティ担当者の仕事に改革をもたらす「4つの活用シーン」を説明する。
システムを監視してインシデントの検出、対処を実行するためのツール「SIEM」(Security Information and Event Management)に、人工知能(AI)技術を取り入れる動きが広がっている。AI技術はSIEMの能力をどのように強化し、セキュリティ担当者の仕事をどう変えるのか。
SIEM×AIでできる「4つのこと」
併せて読みたいお薦め記事
連載:AIで進化するSIEM
「AI×セキュリティ」でキャリアアップするには
企業がAI技術を組み込んだSIEMのツールを利用すれば、以下のことに取り組めるようになる。
1.攻撃の未然の防御
AI技術は膨大な量のデータを迅速に処理し、複数のシステムやインシデントにまたがって複雑なパターンを特定する機能を備える。この機能を通じて、セキュリティ担当は高度なアラートやセキュリティ対策の推奨事項を得られる。それを踏まえて予防措置を講じ、攻撃を受ける前に防御態勢を敷くことができるようになる。
2.ユーザーとエンティティの行動分析
従来のセキュリティ対策は、認証済みエンドユーザーのログインを模倣する不正なログイン試行を誤って受け入れてしまうケースがある。AI技術を組み込んだSIEMは、エンドユーザーとエンティティの行動分析(UEBA:User and Entity Behaviour Analytics)を利用し、認証済みエンドユーザーの正常な行動とは異なる行動パターンを特定可能だ。UEBAはエンドユーザーの行動を分析、評価することで、攻撃者の不審な行動を特定し、認証といったセキュリティ対策を回避するのを阻止する。
3.実用的な洞察
セキュリティ担当者はAI技術の力を借りて、脅威やその対策について実用的な洞察を得ることが可能だ。この洞察を使って、攻撃の可能性を常に把握し、システムを絶えず保護できる。
4.セキュリティチーム同士の連携
企業はAI技術を組み込んだSIEMによって得た洞察を、複数のセキュリティチーム間で共有して共通ナレッジとして利用できる。セキュリティチーム同士の連携を促進することは、セキュリティの強化を促す。
SIEMによって得た洞察を蓄積することで、より高度な分析ができるようになる効果も見込める。高度な分析によって複雑に絡み合う攻撃情報を整理し、多種多様なデータを関連付けることで巧妙な攻撃パターンの特定が可能になる。
まとめると、AI技術を組み込んだSIEMは企業に以下のメリットをもたらす。
- データとエンドユーザーの行動を継続的に監視できる
- 膨大な量の情報からパターンを瞬時に分析、評価できる
- セキュリティ対策の推奨事項と実用的な洞察を提示する
現代の企業は、かつてないほどの脅威に直面している。AI技術を駆使したデータ分析によって、「攻撃者に一歩先んじて」防御策を講じられるようになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[アトラシアン株式会社] なぜAIを導入しても効果が出ない? 組織全体で使いこなすための仕組みとは -
製品資料
[プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社] ネットワーク全体を見える化、フロー分析で実現する広域監視と迅速な異常検知 -
製品資料
[プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社] SNMPより詳細で、パケット解析より簡単な「トラフィック可視化・分析」の方法 -
製品資料
[プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社] 重要性を増す“侵入後の可視化” どのように実現すればよいのか? -
市場調査・トレンド
[クラウドストライク合同会社] 回避型攻撃が急速に拡大、連鎖する攻撃を防ぐためのアプローチとは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜMicrosoftは「Rust」を標準言語に? AIで進むC/C++書き換えの課題
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
4
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
5
なぜデータの民主化は失敗するのか ゴールの誤りを正すAI活用の新アプローチ
-
6
“もう辞めます”を言わせる「静かな解雇」の最悪な実情
-
7
不正アクセス相談が37%→57%に 攻撃者から自社のシステムはどう見えているか
-
8
NVIDIA「一強体制」の終わりか データセンターを襲う“電力の壁”
-
9
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
10
「恥を知るべきだ」 AIデータセンター反対運動を招いた事業者の秘密主義
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
3
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
4
顧客対応自動化の要点:RAGとデータ連携で“業務で使える生成AI”にする方法
-
5
SCS評価制度時代の「SASE選定」ガイド
-
6
マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身
-
7
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
8
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
9
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
10
侵入から横展開まで27秒の脅威にどう立ち向かう? 防御のカギがEDRの理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー