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Windows 11移行かAI PCか PC買い替えの本音を深掘り「Windows 10」サポート終了の影響は

AI技術の処理に適したプロセッサを搭載する「AI PC」が市場で台頭しているが、AI機能は企業のPC購入の大きな決め手になっているとは限らない。今、企業のPC買い替えの大きな動機になっているのは何か。

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Windows 11 | 人工知能 | ビジネスPC


 人工知能(AI)機能を備えたPCの購入量は増加傾向にある。しかしこれは単にAI機能を搭載したPCが市場に投入されていることの表れで、ユーザー企業のPC購入の動機になっているとは限らない。

 現在の企業のハードウェア購入の主な動機の一つは、「Windows 11」への移行だ。米国TechTargetの調査部門Omdiaでアナリストを務めるキアラン・ジェソップ氏は次のように話す。「2025年時点で販売されているPCの大半はAI機能を搭載している。しかしこうした機能はユーザー企業のPC買い替えの際の主な検討事項ではなく、当分の間はそうならないだろう」

「Windows 10」終了は企業のPC購入にどう影響するのか

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 Microsoftの「Windows 10」は2025年10月14日にサポートを終了した。定期的に更新される安全なOSへの移行の必要性が2025年の企業ITのテーマとなり、ハードウェア市場の成長をもたらしている。「2025年のハードウェア市場を支えているのはWindows 11への刷新だ。AI技術に関連したタスクの処理に特化したプロセッサを搭載する『AI PC』の売れ行きが好調だとしたら、それは市場に出回るAI PCの増加によるものだ」とジェソップ氏は話す。

 PCにAI機能を最優先に求める顧客もいるが、それは限られた数だとジェソップ氏は説明する。「ユーザー企業や消費者がPC購入で重視する要素は長い間変わっていない。具体的には日常的なタスクの処理速度やバッテリー寿命、既存のアプリケーションとの互換性、PC群の一元管理のしやすさなどが挙げられる」とジェソップ氏は言う。

 これらの要因がPC購入の判断に影響を与えることは、直近の将来で変わることはないだろう。OmdiaはPCの世界年間出荷量が2025年以降の4年間、年平均成長率約1.1%で成長すると見込んでいる。「PCの買い替え需要は高まる」とジェソップ氏は予測する。「特にAPAC(アジア太平洋地域)では、安価なPCの需要が大きい。一方で新興国や発展途上国では、高性能・高機能なPCの需要も堅調だ。しかし今後数年間、企業がAI機能をPC購入の決め手にするとは想像しにくい」(ジェソップ氏)

 Windows 10のサポートが終了しても、多くのユーザーが同OSを利用し続けている。2026年も、デバイス刷新の必要性が市場をけん引する要因となり続けるだろう。「世界的に見ても、2025年時点で6年以上利用されている古いデバイスのほとんどはWindows 11のハードウェア要件を満たしていないため、買い替える必要が生じている」とジェソップ氏は言う。Microsoftはサポート終了日を過ぎたWindows 10を利用し続けるユーザーに向けて、セキュリティ更新プログラムを配信するサービス「拡張セキュリティ更新プログラム」(ESU)を提供している。法人向けESUの1年目のコストは、デバイス1台当たり1年間30ドルから開始し、2年目以降は倍増する。ジェソップ氏は次のように説明する。「既に一部のユーザー企業は1年間のESUの利用料金を予算に組み込んでいる。しかし利用料金が増額されると、それを予算に組み込むことは望ましくなくなる。新しいデバイスを購入してWindows 11に移行する方が、コストを抑えられる可能性がある」

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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