Windows 11への移行 「買い替え」で選ばれているPCの特徴は?:単なるOSのアップグレードではない
Microsoftが「Windows 10」のサポートを終了したことを受け、世界のPC市場が活況を呈している。特に販売台数が増加しているPCに傾向はあるのか。
Microsoftは2025年10月14日(米国時間)をもって「Windows 10」のサポートを終了した。この動きに呼応して、エンタープライズ向け、消費者向けともにPCの販売件数は増加傾向にある。購入されているPCの特徴は。
Windows 10がサポート終了 買い替えるならどのPC?
調査会社Contextが2025年10月8日に公開した市場分析レポートによると、欧州における2025年第3四半期(7月1日〜9月30日)の消費者向けPC市場は成長が加速している。
Contextのチーフクライアントオフィサー(Chief Client Officer)、ジェームズ・ベイツ氏は、「この力強い成長を支えるのは、Windows 10のサポート終了に伴う緊急なアップグレード需要と、AI(人工知能)対応デバイスが提供する魅力的な体験だ」と述べる。
Contextの調査によると、ノートPCとデスクトップPCともに販売台数は増加しており、その中でもAI処理に最適化したプロセッサを搭載する「AI PC」の売り上げは拡大している。ベイツ氏は、「AIアシスタント『Microsoft Copilot』がもたらす実用的な利点と新しい体験こそが、AI PCを“将来に備えた投資”として位置付ける決め手となっている」と説明する。
Microsoftのバート・ファン・デル・クナップ氏(エンタープライズおよびEMEAチャネル統括ゼネラルマネジャー)は、Windows 11への移行を、「パートナーにとっても顧客をより安全な環境へ導く好機だ。その最善の方法がデバイスの刷新になる」と語る。
Dell Technologiesのエイドリアン・マクドナルド氏(EMEA担当プレジデント)は「当社のPC販売の大部分はパートナー経由で進めている。PC事業は今後も極めて重要な領域であり、数年にわたって注力していく」と述べた。
一方、長期間にわたる告知にもかかわらず、Windows 10から移行していない顧客も存在する。
ITサービス企業DXC Technologyのケリー・キャンドラー氏(モダンワークプレース部門グローバルリード)は次のように警鐘を鳴らす。「Windows 10のサポート終了は、数千台規模の端末を持つ企業にとって重大な転換点だ。Windows 11への移行を怠れば、セキュリティにおける脆弱(ぜいじゃく)性の増大やコンプライアンス違反、生産性の低下といった深刻なリスクが生じる可能性がある」
キャンドラー氏は、今回の移行期は単なるOSやハードウェアの更新にとどまらず、企業変革の好機であると強調する。「このような節目では、OSのアップグレードだけではなく、長期的なセキュリティ、コンプライアンス、俊敏性を確保するためのデジタル変革にも取り組むべきだ。テクノロジー刷新と経営目標を連携させることで、イノベーションを促進し、ユーザー体験を高め、規制順守を維持する“将来に備えたデジタル職場”を実現できる」
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。