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95%が想定外の請求を経験 Backblaze調査が示す「AI×クラウド」の隠れコストAIで増える「見えない通行料」

BackblazeとDimensional Researchは、クラウドオブジェクトストレージに関する調査結果を発表した。それによると、企業の95%が予想外の請求を経験していることが分かった。

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人工知能 | セキュリティ | IT戦略


 Backblazeは2025年10月30日(米国時間)、Dimensional Researchと共同実施したクラウドストレージ調査の結果を発表した。この調査はクラウドに250TB超のデータを保有、管理する企業のITリーダーを対象に実施し、403人から有効回答を得た。それによると、AI(人工知能)導入の進展に伴いクラウドオブジェクトストレージの「隠れコスト」が運用を阻害していることが分かった。

「使うほど損」を止めるには

 調査結果によると、クラウドオブジェクトストレージを利用している企業の95%が想定外の課金を経験していた。要因は幾つか考えられるが、Backblazeは「エグレス料金」を挙げる。これは、あるクラウドサービスにあるデータを外部(オンプレミス環境や別のクラウドサービス)に移動させる際にかかる費用のことだ。エグレス料金の課題は企業のマルチクラウド展開にも影響しており、調査結果によると58%が「マルチクラウド戦略の最大の障壁はデータの移動/アクセスにかかるコスト」と回答した。

 こうした課題はAIを積極的に活用する企業にとって、特に関係性が深い。クラウドコストを抑えるために、回答者の56%がAI活用のためのデータセットを縮小し、46%がデータセットの保持期間を短縮している。40%はストレージ容量の超過をカバーするために他の重要施策から予算を振り替えたと回答している。さらに「データセットの利用を控える」(37%)、「人員を削減する」(21%)という厳しい施策に踏み込んだ事例もある。

編集者の一言解説

 企業のAI活用は進んでいるが、データセットの肥大化やマルチクラウドの採用などの要因によって総コストが増えることはあまり話題になっていない。しかし、今回の調査結果によるとコスト超過を恐れて現場が利用を抑えるといった現象も起きている。企業がAI活用を継続させたいのであれば、まず実態把握が出発点だ。データの所在と流通、読み出し頻度や発生費用を可視化することで、適切なデータ配置とコスト設定が可能になるだろう。

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