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Singapore Sports HubがWi-Fi 7を導入 「接続改善」だけじゃない使い方とは高速通信で変わるスタジアム体験

大型スポーツ複合施設「Singapore Sports Hub」は2026年前半をめどに、全域にわたる高速ネットワークの導入を予定している。どのような仕組みで、どう活用するのか。

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 シンガポールの大型スポーツ複合施設「Singapore Sports Hub」(シンガポールスポーツハブ)では、無線LAN規格「IEEE 802.11be」(Wi-Fi Allianceの認証規格では「Wi-Fi 7」)を使った高速ネットワークの導入が予定されている。導入は5万5000席の国立競技場をはじめ、Singapore Sports Hubの全域にわたる。完了予定は2026年前半だ。

目指すのは、インターネット接続の改善だけではない

 Singapore Sports Hubの管理会社Kallang Alive Sport Management(KASM)で技術・データ責任者を務めるアンドリュー・ロー氏は、「Wi-Fi 7を使った新しいネットワークインフラによって、チケット購入から始まる訪問者体験の向上を目指している」と述べる。Singapore Sports Hubではスポーツイベントの他に、エンターテインメントやコミュニティのイベントも開催される。高速にインターネット接続を可能にすることで、施設利用の活性化を目指す。

 ロー氏によると、現状のネットワークインフラの課題は、サッカーの試合でゴールが決まった瞬間やコンサートで人気の曲が演奏されたときなど、多くの訪問者が同時にスマートフォンを使ってインターネットにアクセスしようとする際に通信が遅くなってしまうことだ。人気歌手のコンサートで、スタジアム外にも大勢のファンが集まり、ネットワークに大きな負荷がかかるような状況への備えも欠かせないという。

 Singapore Sports Hubの国立競技場は可動式の屋根を備え、こうした建設上の特徴も通信速度に影響する可能性があるとロー氏は説明する。

 新しいネットワークインフラはCisco SystemsのWi-Fi 7技術を中核とした仕組みだ。人工知能(AI)を活用し、通信の信号を自動的に最適化することで高速なインターネット接続を可能にするという。セキュリティにもAIを取り入れる。AIでさまざまな脅威を特定し、システムに入り込む前にブロックする。

 新しいネットワークインフラによってKASMが目指しているのは、インターネット接続の改善だけではない。同社は新しいネットワークインフラを利用し、訪問者の動きの理解を深めることも目的としている。訪問者の行動分析を踏まえ、施設内の人の流れを管理したり、食べ物や飲み物の注文をしやすくしたりするなど、サービス改善に取り組むという。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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