【メール文面お届け】Microsoftの欠陥「CVE-2025-62215」 これで対策依頼:脆弱性情報の社内通知
セキュリティアラートが発されたとき、社内で情報を共有するにはどうすればいいのか。Microsoft製品の具体的な脆弱性を取り上げ、社内通知用のメール文面を作成した。
サイバー攻撃が猛威を振るっている中、大半の攻撃の入口になるのは、標的企業のシステムの脆弱(ぜいじゃく)性だ。自社でのシステムの誤設定といった問題だけではなく、ITベンダーの製品に存在する脆弱性もいち早く把握し、対策を講じなければならない。
日本で脆弱性情報をはじめとしたセキュリティアラートを出しているのは、情報処理推進機構(IPA)やJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)などのセキュリティ機関だ。企業のセキュリティ担当者はこれらのアラートをチェックし、対応が必要と判断した場合、関連情報を社内に通知することが求められる。
本稿は、IPAが2025年11月12日に公開したMicrosoft製品の脆弱性「CVE-2025-62215」(Windows カーネルの特権昇格の脆弱性)を取り上げ、社内向け対応依頼メールの文面をお届けする。最後に、社内通知のポイントも紹介する。
「そのまま使える」CVE-2025-62215注意喚起の文面
件名
【至急対応依頼】2025年11月公開のMicrosoft製品脆弱性に関するWindows Update実施のお願い
本文
各位
お疲れ様です。情報システム部より、重要なセキュリティ対応のお願いです。
- 背景と内容
IPAが、2025年11月12日付で公表した「Microsoft製品の脆弱性対策について(2025年11月)」において、複数の脆弱性が修正されたセキュリティ更新プログラムがリリースされました。
特に、CVE-2025-62215の脆弱性では、悪用実績が既に確認されており、今後さらに攻撃が拡大する恐れがあるとのことで、緊急の対応が推奨されています。
この脆弱性が悪用された場合、アプリケーションの異常終了だけではなく、攻撃者によってパソコンが制御される可能性も報告されています。
- 対応のお願い
Windowsをご利用の全ての端末について、速やかにWindows Updateを実施してください。実施後、再起動が必要な場合があります。
セキュリティ更新の適用状況について、管理部門では一覧把握および完了確認をお願いします。
自動更新を無効にしている端末がある場合は、手動での更新を実施してください。
更新完了後、不審な動作やトラブルがないか各自注意を払い、問題があった場合は速やかに情報システム部までご報告ください。
- 参考情報
お忙しいところ恐縮ですが、本日中を目処に、全端末での更新作業を完了くださいますようお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
情報システム部
(担当:セキュリティチーム)
社内通知のポイント
- メールの冒頭では、IPAやJPCERT/CCが出している具体的な脆弱性の説明や、(あれば)攻撃事例を簡潔に記載する
- URLは必ず、IPAやJPCERT/CC、ITベンダーの公式ページをリンクする
- 件名に「重要」や「注意喚起」と入れると、開封率が上がる可能性がある
- 最近、セキュリティ情報の社内通知を始めたばかりの企業や、新入社員が入った企業は、メールに以下の部分を追加すると丁寧だろう。
今回のように、外部からの脆弱性や攻撃は、対策を講じず問題を放置することで「社内全体」に被害が拡大する可能性があります。特にネットワーク機器やサーバ/インフラ系ソフトウェアは、一度侵害されると社内システム全体に影響を及ぼす恐れがあります。
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