「その見積もり、ベンダーの言い値では?」 甘いRFPが招く“ぼったくり”構造:見積もりの“予備費”は本当に必要か?
RFPはシステム刷新の成否を握るが、要件や価格を見極めることは容易ではない。あいまいなRFPが招くプロジェクト遅延や予算超過を回避し、最適なパートナーを選ぶための「評価の物差し」とは。
ベンダーから出てきた見積もり額が、適正なのかどうかを判断できない――。これは基幹システムの刷新やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において、IT部門が直面する典型的な課題だ。この「迷い」を生む原因になり得るのが、プロジェクトの第一歩である「RFP」(提案依頼書)の品質だ。
あいまいな要件定義や、非機能要件の記載漏れがあるRFPは、ベンダーに「リスクバッファー(予備費)」を過剰に積ませる隙を与えるだけではなく、開発後の「言った言わない」のトラブルの火種となる。RFPの出来が悪い時点で、プロジェクトは“負け戦”になりかねないということだ。
ITコンサルティング企業Ragateは2025年12月、RFP作成やベンダー選定に関わる日本国内のビジネスパーソン550人を対象に、インターネット調査を実施した。その結果、回答者の約6割がRFP作成業務において課題を抱えている実態が明らかになった。社内にノウハウがないまま手探りで作成したRFPが、どのような悲劇を招いているのか。現場が直面しているリアルな「悩み」と、「技術」「経営」の両面からベンダーを精査する評価軸について解説する。
「要件が書けない」「相場が分からない」 担当者の悲鳴
RFP作成時における具体的な課題を見ると、「作成の経験、ノウハウがない」という回答が28.8%で最も多かった。システム発注は頻繁に発生する業務ではないため、担当者に知見が蓄積されにくい構造的な問題がある。「要件の粒度が分からない」(19.6%)、「非機能要件の整理が難しい」(18.4%)といった技術的な課題も挙がり、ITに精通していない担当者の苦悩が見て取れる。
ベンダー選定の局面で最も高いハードルになっているのが「価格の妥当性の判断」(21.3%)だ。提示された金額が市場相場と照らして適正なのか、自社の判断基準を持てずに困惑するIT担当者が一定数いることが分かる。ベンダーの評価軸としては「初期費用」(47.9%)と「長期的な総コスト(TCO)」(41.1%)が上位を占め、目先の導入費と将来の維持費の双方をシビアに見極めようとする企業の姿勢がうかがえる。
こうした課題を背景に、回答者の54.6%が外部支援の活用に前向きな姿勢を示している。外部パートナーに求める条件として最多だったのは「技術と経営の両面からの評価」(17.8%)だった。企業は単なる技術的な適合性だけではなく、投資対効果(ROI)や事業への影響といった経営視点での客観的な助言を求めている。
自社の要件に合うベンダーを選ぶには、RFPの品質を高めて要件を明確に伝えると同時に、費用以外の多角的な評価軸をあらかじめ設定しておくことが重要だ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。