WiMAXについて解説する連載(第1回は「WiMAXとは何か――技術概要とアプリケーション」)の第2回目は、WiMAXの性能にスポットを当てる。
性能を測る指標
まず「性能」とは何かを定義しなければならない。性能には多数の要素がある。ユーザーにとって最も分かりやすいのはメガビット毎秒(Mbps)で示される上り/下り速度だろう。下り速度はWeb閲覧の快適さを左右するため、従来はユーザーが最も気にする指標だった。しかしP2Pネットワーキングの台頭と、動画や画像といったユーザー作成コンテンツをアップロードする需要の高まりにより、上り速度の高速化も求められるようになっている。
性能に影響する要素
次に、ピーク性能と平均性能の違いも知っておく必要がある。ピーク性能は、そのテクノロジーが理想的な環境で達成し得る最高の性能だ。ピーク性能は普段、大々的に宣伝されるが、ユーザーがそのような高いレベルの性能を体感することはまずない。実際のモバイルサービスでユーザーが体感するのは普通、平均性能だ。平均性能はカバー範囲全体の中で差が出ることもあり、次のような多数の要素に影響される。
チャンネル帯域幅
ほとんどの携帯電話システムは、さまざまな帯域に対応した設計になっている。例えば10MHzのチャンネルは、5MHzのチャンネルの2倍の帯域幅を提供する。チャンネル帯域幅が増えるほど、そのチャンネル経由で毎秒伝送できるデータ量が増える。
バックホール容量
多くの基地局(ベースステーション)は、受信した無線トラフィックをネットワークのコアに転送できるだけの伝送容量を持っていない。このため、個々のユーザーの性能レベルが制限される。
MIMO
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