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モバイル対応、使い勝手……自社に最適な企業向けIMを見極める7つのポイント“第3のコミュニケーション”企業向けIMの魅力【後編】

コミュニケーションを円滑化してくれるIM。だが個人向けと企業向けの製品では、その考え方、使い方が根本的に異なる。ビジネスに適したIMの選定ポイントをまとめてみた。

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 前回の「企業で使ってこそ分かるIMの本当の価値」では、インタスタントメッセンジャー(IM)をコミュニケーションの道具としての観点から取り上げた。IMは日々交わされる「揮発性情報」を効率よくやりとりできることに加えて、在席情報を示すプレゼンス機能が実はコミュニケーションメディアにもなり得る。一方、現場の社員はIMの導入を歓迎する傾向がある一方で、経営層には効果がなかなか理解されないという問題点についても触れた。

 ただ、筆者があらためて指摘するまでもなく、実際のところ国内ではIMの企業導入が期待ほど進んでいない。いろいろな市場調査リポートで高い普及率が示されることの多い欧米や韓国などとは対象的だ。日本人には「メッセージを送ったら相手の仕事を邪魔してしまうかもしれない」といった惻隠(そくいん)の気持ちがコミュニケーション習慣として根強く存在するため、一朝一夕に変化を求めるのは難しい。ベンダー側には導入事例を踏まえた実際のメリットをじっくりと訴求していくことが求められるだろう。

 とはいえ、入り口の部分で堂々巡りをしていても前には進まない。後編では、導入を決めた、あるいは前向きに導入を検討しているという前提で、IMの選定方法や導入のポイントについて解説したい。

コンシューマー版とビジネス版の違い

 IMの導入に当たっては、当然ながらまずは導入するIMを選定しなければならない。現在、市場には大きく分けて2種類のIMが存在する。1つは主に個人用途のコンシューマー版で、もう1つは企業向けのビジネス版だ。

 コンシューマー版はその多くが無償提供である。というよりも、一部のシェアウェアを除いて、ほとんどすべてが無料といってもよい。アカウント取得のために個人情報を登録する程度の手間は必要だが、すぐに使えることがメリットだ。有名なところでは、「AOLインスタントメッセンジャー(AIM)」「ICQ」「Yahoo!メッセンジャー」「Windows Live メッセンジャー」「Skype(スカイプ)」などがある。これら以外にも、フリーウェアあるいはシェアウェアとして公開されているメッセンジャーソフトがたくさんある。国内では「Vector」「窓の杜」といったサイトで入手できる。

 一方のビジネス版は基本的に有償である。主な製品として「Cisco Unified Communication Manager」「IBM Lotus Sametime」「Microsoft Office Communication Server(旧Live Communication Server)」「Yocto(ヨクト)」などがある。シスコシステムズやマイクロソフトの製品では、IMのメッセージだけでなく音声やデータも統合するユニファイドコミュニケーション(UC)の1つと位置付けられており、OfficeアプリケーションやIP電話との間でプレゼンス(在席情報)も共有できるようになっている。

 コンシューマー版はいずれも機能は似通っているが、ビジネス版は設計コンセプトや主要機能、連携可能ソフトウェアなどがそれぞれで異なる。システム構築に必要なハードウェアリソースについても十分な検討が必要だ。

主要なIM製品
名称 分類 URL
AOLインスタントメッセンジャー コンシューマー版 http://www.jp.aol.com/aim/index.html
ICQ http://www.icq.com/
Skype http://www.skype.com/intl/ja/
Yahoo!メッセンジャー http://messenger.yahoo.co.jp/
Windows Live メッセンジャー http://messenger.live.jp/
Cisco Unified Communication Manager ビジネス版 http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/iptel/index.html
IBM Lotus Sametime http://www-06.ibm.com/jp/software/lotus/products/sametime/
Microsoft Office Communication Server http://office.microsoft.com/ja-jp/communicationsserver/
Yocto http://www.yocto.ne.jp/

画像画像 左の画面はCisco Unified Personal Communicatorでのメッセージ交換。そこから直接内線を掛けるといったことも可能。右画面はMicrosoft Office Communicator(クライアント)でのプレゼンス確認

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