UCインフラ構築事例──ボストン医療センター:重要なのは現場の納得
正確で迅速なコミュニケーションが患者の生死を分ける医療の現場は、ユニファイドコミュニケーション(UC)が威力を発揮する格好の場かもしれない。
教育病院であるボストン医療センターの技術担当ディレクター、ブラッド・ブレーク氏は、同センターの中長期的なコミュニケーションニーズをサポートするインフラの構築を進めている。
ブレーク氏は、コミュニケーションインフラ計画について看護師や医師、医療技術者など主要スタッフから納得を得ることが、インフラの技術的特徴と同じくらい重要だと認識している。
現代の医療は時間との戦いという面があり、正確で迅速なコミュニケーションができるかどうかが患者の生死を分ける場合もある。このため、医療機関は、主要スタッフの納得を取り付けるという条件が満たされれば、ユニファイドコミュニケーション(UC)が威力を発揮する格好の場になるかもしれない。米国では景気刺激策により医療業界に資金が流れ込んでおり、電子健康記録(EHR)に関する規制も導入されているだけになおさらだ。
「UCに関心が寄せられているのは間違いない」とIDCのシニアアナリスト、ノラ・フリードマン氏は語った。多くの医療センターでは、規模や施設数の面から、また、看護師や医師がいつも忙しく動き回っていることから、UCはうってつけだという。
さらに、同氏は次のように述べた。「医療現場で看護師や医師、適切な専門家をつかまえるのにかかる時間は無駄な時間であり、その時間のために命が失われる恐れもある。このため、人的遅延(人的な介入を待つことによるプロセスの遅延)の短縮など、UCのいわゆる『ソフトベネフィット』(定量化しにくい効果)が非常に重要になる」
だが、そうした効果を実現するには、UCの導入についてスタッフの納得を得ることが不可欠だ。
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