XBRLに再び注目すべきこれだけの理由:IFRS時代のXBRL活用を探る【第1回】
IFRSの登場で、XBRLが再び注目を集めている。高い相互比較性を理想とするIFRS、と勘定科目の組み換えやデータベースへの保存のしやすさに特徴があるXBRL。どのようなメリットをもたらすのか。
XBRLとは何か?
金融庁は3月1日、「EDINET概要書等の一部改正(案)の公表について(国際会計基準の適用関係)」を公開した(参考記事)。さらに3月11日には「2010年版EDINETタクソノミ及び関連資料の公表について」を公開した(参考記事)。
昨年末から年明け以降の金融庁のIFRS(国際財務報告基準)への積極的な関与ぶりには目を見張らされる。そうした積極姿勢の最中に実施されたこれらの発表の目的は、日本の会計制度のIFRSへのコンバージェンス(収れん)過程の中で、IFRSに必要な項目を開示制度に実地的に取り込んでいくことにある。
この記事では、発表タイトルにある「EDINET」や「タクソノミ」とは何か、さらにそれらの中で重要な位置を占めるデータ形式「XBRL(eXtensible Business Reporting Language)」とは何かについての説明を行う。IFRS時代におけるXBRLの重要性についても触れたい。
まず、XBRLをごく簡単に表すと「財務会計用途に特化したXML(eXtensible Markup Language)」といえる。XMLについての説明は、この記事の読者諸氏にとっては恐らく釈迦に説法のようなものだろう。あえていえば、XMLでは「タグ」と呼ぶ項目を用い、テキストデータの部分部分に情報の意味、構造、あるいは装飾などを付与することができる。また、「タグ」の作成の自由度も高いため、特定の用途に向けた意味を持つ「タグ」を、それを使う業務の関係者の間で広く共用できれば、データの共通性や相互参照性が高まるというメリットがある。
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