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昇給ゼロ時代にITスタッフのモチベーションを維持向上させるには仕事の意義は報酬だけではない

昇給を保証することなく優秀なITスタッフを引き付け、維持するためにモチベーションを喚起する方法を紹介する。

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これまで経験した中で最高の仕事

 これまであなたがITスタッフとして経験した中で最高の仕事は何だろう?(それが今の仕事でありますように)。また、それはなぜか。反論もあるだろうが、あなたにとって、その素晴らしい仕事に対するモチベーションの源泉は、報酬や昇給だけではなかったに違いない。あなたがその仕事を気に入ったのは、それが有意義で充実していたからであり、収入が良かったからではないはずだ。

 わたしが経験した中で最高のIT業務の1つは、若きエンジニアだったころに担当したものだ。わたしの雇い主は、わたしのエンジニアスキルは平均以下だが、リーダーシップ能力は平均より上だとすぐに判断した。雇い主は比較的短期間、わたしにエンジニアの仕事をさせた後、ほかのエンジニアを管理する仕事に就かせた。それがわたしのキャリアの中で、最も大変ながらもやりがいのあった仕事の1つだ。わたしは早急にITマネジメントのスキルを磨かなければならなかった。そしてチームのモチベーションを高め、膨大な設計作業を完了させなければならなかった。自分に欠けていたスキルが必要になったわけだ。もっとも、その一方でわたしはチームの中で最も給料が低かった。

 わたしは、この景気低迷下で昇給を保証することなく、優秀なITスタッフを引き付け、維持するためにモチベーションを喚起する方法を考えるとき、この経験を振り返る。この経験はわたしに、「ほとんどの人にとって、モチベーションはお金だけではない」ということを教えてくれた。お金は重要ではないということではない。しかし、公正な給与と処遇を得ていれば、われわれは有意義な仕事をすることを心から楽しむ。わたしはリーダーとして、「最も重要な役割の1つは、自分がITスタッフに頼む仕事が重要であり、面白みがあり、彼ら自身の成長目標の達成に役立つようにすることだ」ということを学んできた。

 簡単に聞こえるかもしれない。しかし、わたしはCIOとしてこの役割を果たすよう心掛けてきたが、容易なことではない。部下のITスタッフが行う仕事を、わたしと彼らの両方にとって有意義なものにしたければ、組織のニーズとスタッフ個々人のニーズを両立させなければならない。わたしはこの課題に、「Xモデル」(自分で命名)を用いて取り組んでいる。

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