クラウドを導入したい経営者と反発するIT部門:雲屋クラウドセミナーリポート 〜北米クラウド最新事情アップデート
クラウド導入は経営者の判断に懸かっている。経営者がクラウドの導入を進める方法や、クラウド導入で変わるIT部門の役割についてリポートする。
2011年12月7日に開催された雲屋クラウドセミナーの中から、雲屋 取締役会長 鈴木逸平氏による「北米クラウド最新事情」をリポートする。TechTargetジャパンでは2011年6月にも鈴木氏の同講演を取材している(記事:CloudStackを導入したZyngaの事例と北米クラウド最新動向)。こちらでは、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドといったさまざまなクラウド形態をどう使い分けるかや、プライベートクラウドの動向について紹介した。今回は、北米クラウド最新事情のアップデートとして、経営者がクラウドの導入を進める方法やクラウド導入で変わるIT部門の役割についてリポートする。
北米クラウド最新事情、キーワードの刷新
クラウドという言葉はもはやバズワードではない。日本情報システム・ユーザー協会の調査結果『企業のIT投資動向に関する調査報告書』にもある通り、依然として導入企業の割合よりもベンダーやメディアのプッシュ活動の方が活発な印象は否めないが、2006年に“クラウドコンピューティング”という言葉が登場して議論されるようになってから5年たち、徐々にユーザー企業にも導入され始めている。ガートナーが2011年7月に発表したハイプサイクル「Hype Cycle for Cloud Computing 2011」でも、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)の市場への影響は、既に流行(過剰期待の頂)のピークを越えている(参照:Gartner Releases Their Hype Cycle for Cloud Computing,2011)。こうしたクラウド市場の盛り上がりを受けて鈴木氏は「2010年から2011年にかけては、SaaS、PaaS、IaaSの技術について議論されることが多かった。ユーザー企業は、クラウドの技術や機能、ビジネス的なメリットについては理解してきたが、どういうきっかけで導入すればいいかについては意外とまだ答えが見えていない現状」だと今の市場を分析した。
クラウド導入は経営者の判断に懸かっている
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