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SAP副社長に聞く、ライセンスモデル変更の可能性従量課金モデルに期待を寄せるSAPの顧客【後編】

「耳にたこができそう」なほど顧客からライセンスモデル変更の要望を聞き続けてきたSAP副社長。彼にライセンスモデル変更の可能性について率直に聞いた。

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 前編:SAPの顧客は「費用に見合う価値を得ていない」が従量制にも課題では、SAPの顧客から噴出している価格モデルやライセンス方式に対する不満と、従量課金制や同時ユーザーモデルといった方式にすることで「何が起こるのか」について紹介した。

 今回は、独SAPの動向や、同社の売り上げ戦略・価格担当副社長、ジョー・ラローザ氏の考えを紹介する。

SAP NetWeaver Gateway:ハイブリッドモデル

 多くの人が、SAPは前払いでオンプレミスソフトウェアのライセンス収入を得るのをやめて、長期間にわたって少額ずつ支払いを受けることは嫌うだろうと見ている。だが「SAP NetWeaver Gateway」は、SAPが少なくともある程度、従量課金制に移行している一例だ。

 NetWeaver Gatewayはオープン標準ベースのフレームワークであり、開発者はこれを使って非SAPアプリケーションをSAPアプリケーションに容易に接続できる。また、このフレームワークは、モバイル端末からSAPアプリケーションへのアクセスも容易にする。

 NetWeaver Gatewayで従量課金モデルが採用されているのは理にかなっていると、英Bluefin Solutionsのビジネスアナリティクス・テクノロジー責任者、ジョン・アップルビー氏は語った。NetWeaver Gatewayを使う場合、社外の数千人、あるいは数百万人の顧客が、社内ERPシステムのデータにアクセスすることがあり得る。アップルビー氏は、電力会社の顧客が消費電力リポートを入手するために、こうしたシステムにアクセスする例を挙げた。その場合、NetWeaver Gatewayのライセンスを、こうした顧客全員の人数分取得する必要があるとしたら、そのライセンスモデルは現実的ではないと同氏は語った。

 「だが、Gatewayでは企業は使用量に応じて料金を支払うようになっている」とアップルビー氏。「この方式であれば、企業は安心してGatewayを使えると思う」

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