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【事例】在宅医療クラウドで高齢者の包括的なケアを支援する「高齢先進国モデル構想会議」高齢者への“おせっかい”が何より大切

超高齢化社会の到来を控え、高齢者の在宅医療や介護、生活支援などを包括的に提供できる体制が求められている。その実現を支援するためにクラウド型システムを開発した団体の取り組みを紹介する。

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 急速に進む少子高齢化を背景に、在宅医療の重要性が増している。また、核家族化により社会的に孤立する老人も増えつつあり、高齢者の生活支援に向けた訪問介護サービスの充実も近年になり強く求められている(関連記事:2012年は「地域包括ケア元年」 医療・介護連携の今後)。そんな中、高齢者を地域コミュニティーで支える包括的なサービスモデルの構築を目的に設立された団体がある。2011年1月に任意団体として設立され、同年5月に一般社団法人化した「高齢先進国モデル構想会議(Leading Aging Society Forum)」だ。

 本稿では、高齢先進国モデル構想会議で理事長を務める武藤真祐氏(祐ホームクリニック理事長)が5月に開催された富士通フォーラムの特別講演で語った内容を踏まえ、在宅医療の普及に向けた提言とその実現を支援するITシステムを紹介する。

在宅医療と訪問介護を包括的に提供するために

 武藤氏は、IT戦略本部の医療分野の取り組みに関するタスクフォースの構成員でもある。高齢先進国モデル構想会議の支援企業には、介護系やIT系の企業が名を連ねている。

 武藤氏によると「高齢先進国モデル構想会議では、高齢者や要介護者とその家族に対して、在宅医療・介護だけでなく生活レベル全般の質の向上や維持に向けた各サービスを連携させ、ワンストップで提供することに取り組んでいる」という。

 また「介護高齢者向けの在宅医療の難しさは、サービス提供側の横の連携が取れていないことに起因している」と指摘する。これまでにも医療機関や介護施設、企業、自治体などによってさまざまなサービスが提供されてきたが、「組織ごとにサービス提供に必要とする情報が異なる点が、その普及を阻害している」という。

 対して、高齢先進国モデル構想会議では、以下の3つのステップでサービス間の連携を目指している。

  1. 祐ホームクリニックの運営を通じて、在宅医療のベストプラクティスを確立する
  2. 介護系の企業や組織と連携するための情報共有基盤を構築する
  3. 個人情報を保護した上で、個々の患者の生活情報とひも付けて管理できる体制を整備する

 このうち(2)(3)の推進にはITの活用が不可欠というのが武藤氏の考えだ。そこで高齢先進国モデル会議は富士通と共同でクラウド型の在宅医療システム「在宅医療支援クラウド」を開発・運用を開始し、電話やFAX頼りの連絡の迅速化や現場業務の支援も実現したという。

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