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全体最適に向けた自動化を実現する「HP Operations Orchestration software」運用自動化製品紹介【第4回】

本連載では国内でシェア上位を占める統合運用管理製品ベンダー7社を取材。今回は日本HPの運用自動化製品群「HP Business Service Automation」の中核となる「HP Operations Orchestration software」を紹介する。

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 日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は、運用管理を自動化する製品群「HP Business Service Automation」を2008年1月から提供している。2007年に買収した米Opswareの製品を日本HPの製品ポートフォリオに組み入れたもので、その核となるのが運用手順書を自動化する「HP Operations Orchestration software」だ。2010年9月には、機能強化を施した最新版、HP Operations Orchestration software version 9.0をリリースしている。

Runbook Automation機能で各種運用自動化製品を手順書に沿って制御

 HP Operations Orchestration softwareは、「複数のツールを使った、複数のステップが求められる作業」を運用手順書に沿って自動化するRunbook Automation機能を提供する製品。サーバ、ネットワーク、ストレージの運用自動化を支援する「HP Server Automation」「HP Network Automation」「HP Storage Essentials」などと組み合わせて提供している。これらの運用自動化ツールをHP Operations Orchestration softwareがあらかじめ定義した運用手順に沿ってコントロールすることで、仮想サーバのプロビジョニングやネットワーク機器、ストレージ環境の構成/変更管理などを自動化する仕組みだ。

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図1 HP Business Service Automationの概要図。Runbook Automation機能を持つHP Operations Orchestration softwareが、サーバ、ネットワーク、ストレージの運用自動化ツールを運用手順に沿ってコントロールする

 HP Server Automationは、複数の作業ステップが求められる「仮想サーバのプロビジョニング」を自動化する製品。OS、アプリケーション、パッチの配布や、設定条件に応じたCPUリソースの仮想サーバへの割り当てなど、運用作業も含めて自動化する。特徴は、マルチベンダー製品に対応し、物理/仮想サーバ、OS、アプリケーション、ネットワーク、ストレージの依存関係を含めたインベントリ情報を自動的に収集、記録できること。これにより、システムの構成情報を正確に把握できる他、「あるべき構成」を設定しておくと、ユーザーが勝手にサーバを配備しようとしても自動的に「あるべき構成」に修復。仮想サーバの乱立を防ぐ他、SOX法やPCI DSSなど、各種コンプライアンスに適合したシステム構成を堅持できる点がポイントだ。

 HP Network Automationは、複数の作業ステップが求められるネットワーク機器の構成/変更管理を自動化する製品。設定変更やOSのバージョンアップなど、各種作業内容を設定しておけば、管理対象機器に対する作業を自動的に行う。こちらもマルチベンダー製品対応で、ルータ、スイッチ、ロードバランサーなど70社2800機種のネットワーク関連機器を自動的に検出・認識。導入後もインベントリ、設定情報を自動的に取得・記録する。

 3つ目のHP Storage Essentialsは、ストレージ環境の可視化機能とストレージリソースの自動割り当てを実現する製品。ストレージネットワークの構成を可視化し、接続構成トポロジーを自動的にマッピングする他、ストレージネットワークのリソース使用状況も可視化する。また、ストレージリソースの割り当て手順を設定しておけば、ルールベースのストレージプロビジョニングを自動的に行える。HP Storage Essentialsもマルチベンダー製品に対応している。

マルチベンダー製品を使った複雑な作業ステップを、GUIで効率的に定義可能

 HP Operations Orchestration softwareはこうした各種運用自動化製品の“指揮者”という位置付けだ。これにより複数のツールを使った複雑な運用作業を自動化できる。特徴は3つ。1つは一連の作業手順を効率的に定義できるGUIツールを用意していること。「空き物理メモリの確認」など、運用管理作業に必要な各種作業部品を用意しており、GUIツール上で必要な部品を選んで線でつないでいくだけで作業フローを定義できる。

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図2 HP Operations Orchestration softwareは専用GUIツールを用意。ドラッグ&ドロップ操作で各種運用部品を選び、線でつないでいくだけで自動化する作業フローを設定できる《クリックで拡大》

 部品は4500種類を用意(2012年12月現在)。これらを使うことで、例えばHP Server Automationと HP Network Automationを連携させて、「ユーザー部門からの要請を受け、承認フローを経た上で、ネットワークの設定も含めて仮想サーバをプロビジョニングする」など、人が判断するステップも含めた一連の作業を自動化できる。部品はニーズに応じてカスタマイズ、新規開発することも可能だ。

 「近年はシステムが複雑化していながら、迅速なITリソース配備が求められている。一方で、運用管理スタッフは削減される傾向にあり、業務部門の要求に応えるためには、運用ノウハウの属人化を排し、作業を標準化することが不可欠となる。これには多大な手間と時間がかかるが、各種運用作業を部品として多数用意しているHP Operations Orchestration softwareは標準化を大きく支援する。一連の手順を自動化することで人的ミスを抑制し、作業を確実化できる点もポイントだ」(日本HP ソフトウェア事業統括 ITマネジメント事業部 製品技術部 シニアテクニカルコンサルタントの中村憲仁氏)

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