【徹底比較】中小企業向けクラウド会計サービスの帳票形式とコスト:5つのサービスを紹介
低コストに加えて最新の法令に迅速に対応できるなどのメリットがあるクラウド会計サービス。その中で特に利用が広がっている中小企業向けサービスのコストや対応している帳票形式を比較する。
クラウド会計サービスとは
これまでオンプレミスで運用することが多かった会計システムをクラウド上で運用するケースが多くなっている。特に利用が目立っているのが中小企業向けのクラウド会計サービスだ。
クラウド会計サービスのメリット
中小企業にとってのクラウド会計サービスのメリットは主に以下の4つがある。
クラウド会計サービスのパターン
現在、中小企業向けのクラウド会計サービスには以下の3つのパターンがあると考えられる。厳密にはクラウドとはいえないサービスもあるが、明確には区別されていないのが実情だ。
- クライアントPCからサーバ上のアプリケーションにアクセスして利用する。クライアントPCにはアプリケーションをインストールしない
- サーバ上とクライアント上のそれぞれにアプリケーションをインストールして連係させて利用する
- クライアントPC上でアプリケーションを実行し、データだけをクラウドのサーバ上に保存する
本稿では、クラウドのメリットが最も得られると考えられる(1)のサービスを比較する。
サービス名 | 概要 |
---|---|
GLOVIA smart きらら 会計 | 仕訳入力を効率化する辞書機能を搭載。ユーザーインタフェースにはマイクロソフトのスマートクライアント技術を採用 |
基幹業務SaaS by 奉行i | オービックビジネスコンサルタント開発の会計システム「奉行iシリーズ」をクラウドで提供する。給与や人事、販売管理など他の奉行iシリーズも用意 |
基幹業務SaaS by 大臣 | 応研の会計システム「大蔵大臣NX Super」の機能をクラウドで提供する。応研の「大臣シリーズ」は建設や公益、福祉など特定業種に強いのが特徴 |
ネット de 会計 | 複数ユーザーでの同時入力が可能。「Internet Explorer」「Google Chrome」の他、Mac OS Xの「Safari」でも利用できる |
会計ワークス | ユーザーのスキルに応じて3タイプの仕訳入力画面を用意。マスター情報や仕訳情報のインポート、エクスポートにも対応する |
月額料金と初期導入費
月額料金は3000円台から8万円台までと幅広い。追加ユーザー数によっても月額料金は上下する。どのような要員でクラウド会計サービスを利用するかを明確にして料金をシミュレーションしたい。
月額料金 | 標準ユーザー数 | 1ユーザー追加料金 | |
---|---|---|---|
きらら会計 | 1社利用 ミニベーシック 月額1万500円 | 1 | 月額3675円 |
3社まで利用 コンパクト 月額1万290円 | 1 | ―(追加不可) | |
3社まで利用 ベーシック 月額3万6750円 | 1 | 月額1万5750円 | |
3社まで利用 プレミアム 月額8万4000円 | 3 | 月額1万5750円 | |
奉行 | 月額7万560円 | 3 | 月額1万2075円 |
大臣 | 月額6万2895円 | 3 | 月額1万1550円 |
ネット de 会計 | 月額3780円 | 5 | 月額525円 |
会計ワークス | 月額3150円 | 2 | 月額3150円 |
きらら会計は1社のみ利用できるメニューと、3社まで利用できるメニューを用意する。また標準で5ユーザー使えるネット de 会計と、2ユーザーが標準で使える会計ワークスは、自社と会計事務所との同時利用を認めている。奉行と大臣は自社での利用が基本だ。企業グループでの利用を想定している注意が必要だ。
またネット de 会計と会計ワークスは月額料金の他に、年間の一括支払いにも対応する。ネット de 会計は年間の一括支払いを選ぶと1カ月分が割り引かれる。会計ワークスは月額費用合計(12カ月分)の5%引きになる。長期間の利用が見込まれる場合は年間の一括支払いも検討したい。
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