何かしらの見返りを期待
Microsoftの本心が見え隠れする、Facebook主導プロジェクトへの参加
米Microsoftは2014年1月、米Facebook主導のプロジェクト「Open Compute Project」に参加すると発表した。そのメリットは、自社のクラウドサービス向けハードウェア供給元が増えるだけでない。同社の本心は?
米Microsoftが自社のクラウドサービスに使用している拡張性の高いハードウェアの設計仕様が公開され、大規模な社内クラウドを構築する企業がそれを利用できるようになった。
Microsoftは2014年1月27日、データセンターなどのハードウェア設計のオープンソース化を推進する米Facebook主導のプロジェクト「Open Compute Project(OCP)」に参加し、リファレンス設計を提供すると発表した。
1月末に開催された「Open Compute Project Summit」でMicrosoftが語ったところによれば、同社は「Windows Azure」や「Office 365」といった自社のクラウドサービスに使用しているデータセンターハードウェアの「設計図」をOCPに提供する方針という。
「ただの親切心からの行動ではない」という指摘も
Microsoftのホワイトペーパーによると、このハードウェアシステムはブレード、シャーシ、ラック間のインタフェースをモジュール化することで、コンポーネントレベルでの標準化された相互運用性を確保する。
「特に大規模企業にとっては朗報だ。ハードウェア設計の改善のために、FacebookとMicrosoftがそれぞれのノウハウをメーカーと直接共有しようというのだから」と、米コンサルティング会社82 Venturesのジョナサン・ハッセル社長は語る。
ハードウェアの仕様に加えて、Microsoftはハードウェア管理のためのソフトウェアコード「Chassis Manager」もオープンソース化し、傘下の米Microsoft Open Technologiesを通じて、リポジトリ管理サービス「GitHub」で公開している。Microsoft Open Technologiesは、オープン標準規格や相互運用性など、オープンソースに関する取り組みを推進する目的でMicrosoftが2012年に設立した子会社だ。
Microsoftの今回の貢献は恐らく、効率性の向上など、何かしらの見返りを期待してのことだ。
「ただの親切心からの行動ではない。Microsoftにメリットがあるのは明らかだ。AzureやOffice 365のデータセンター向けに自社の希望に沿った仕様のハードウェア供給元が増えることになる」と、前出のハッセル氏は語る。
特許は申請済み?
2013年12月中旬には、Microsoftがブレードサーバ設計の特許を申請中であることが明らかになった。この特許はまだ認可されていないが、その内容は同社がOCPに提供した設計仕様と似たものになっている。
この出願中の特許がオープンコミュニティーに提供された設計と同一のものかを尋ねたところ、Microsoftからは次のような回答があった。「当社はブレードやシャーシも含め、自社のデータセンター向けにサーバアーキテクチャの革新を進めている。こうした仕様については、Web標準化団体である『Open Web Foundation(OWF)』の規約に基づき、実装者にライセンス供与する方針だ」
オープンソース化するにせよ、特許を取得しておくことにはメリットがある。
米ノースイースタン大学法学部准教授のカラ・スワンソン氏は、次のように指摘する。「知的所有権は必ずしもオープンソースと矛盾するものではない。知的所有権はオープンなシステムの推進に活用できる」
「特許権所有者は第三者に対し、製造、使用、販売、輸入を独占的または非独占的に行うためのライセンスを供与できる。固定料金制か従量料金制で特許使用料を請求するか、クロスライセンス契約を結ぶか、無条件でライセンスを供与するかの選択肢があるが、どれを選ぶかは特許権所有者の自由だ」(スワンソン氏)
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