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手軽に始められる、Hyper-Vの「BCP/DR対策」「無停止運用」機能Windows Server 2003ユーザーのためのHyper-V解説【第3回】

「Windows Server 2012」で大きな変化を遂げた「Hyper-V」。Hyper-Vの比較的新しい機能の中から、BCP/DR対策に役立つ機能と長期運用を支えるテクノロジーについて説明する。

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 2008年の登場以来、進化を遂げてきたMicrosoftの「Hyper-V」。特に、「Windows Server 2012」におけるHyper-Vの機能拡張は大きな変化であった。Microsoftは現在、Cloud OSビジョンを掲げて製品/サービスを提供している。それは、クラウドに関するユーザーの関心の高まりやデバイスの多様化、ソーシャルメディアの広がり、データ量の爆発的な増加を背景として、データセンターのOSの役割を再定義するものである。1サーバ1OSという従来のOSの考え方ではなく、1カ所のデータセンターをあたかも1つのOSとして捉える。このビジョンを実現するのが、ユーザーが管理するプライベートクラウド、Microsoftが提供するクラウドサービス「Microsoft Azure」、そしてMicrosoftのパートナーのサービスプロバイダーが管理/提供するクラウドサービスである(図1)。


図1 Cloud OSビジョン

 これらに一貫したプラットフォームを提供するのがCloud OS ビジョンであり、Windows ServerおよびHyper-Vは、このビジョンの中核を担う製品/機能といえる。本稿では、こうした背景を踏まえ、Hyper-Vの比較的新しい機能の中から、BCP/DR対策に役立つ機能と長期運用を支えるテクノロジーについて説明する。なお、本連載は、Windows Server 2003を使用し、まだ仮想化を進めていないユーザーを想定読者としている。

Windows Serverとラピッドリリース

 Windows Server 2012は、2012年9月にリリースされた。その前身の「Windows Server 2008 R2」のリリースが2009年だったため、実に約3年ぶりのアップグレードに該当し、大小約180と多くの機能が追加された。

 このとき既に、MicrosoftはCloud OSビジョンを掲げており、Windows Serverに追加された新たな機能群は、そのビジョンを実現するものだったといえる。そして、その約1年後の2013年10月には、早くも次期バージョンの「Windows Server 2012 R2」がリリースされている。このような早いサイクルで次のバージョンをリリースしているのは、Microsoftが現在「ラピッドリリース」の考えを取り入れているからである。

 クラウドに関するサービスのリリースは頻繁で、オンプレミスと比べてサイクルが非常に早いという特徴がある。当然、Microsoft Azureも例外ではなく、毎月のように新たな機能/サービスがリリースされている。この考え方が、Windows Serverといった既存のMicrosoft製品のラピッドリリースにもつながっている。

 特に、Microsoft AzureはHyper-Vテクノロジーをベースとしている。新機能をリリースした際には、今やMicrosoft Azureの方で先に実装し、後にWindows Serverの機能としても実装するという、サイクルの逆転も起こっている(必ずしも全ての機能がクラウド先行型で提供されるわけではない)。こうしたところからも、昨今のMicrosoftが「クラウドファースト」というメッセージを掲げているゆえんを感じ取ることができる。

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