「VMware Horizon 6」でRDSホスト型が実現
機能追加でCitrixに迫るVMwareのデスクトップ仮想化
VMwareの「VMware Horizon 6」にはさまざまな新機能が追加されている。だが、Citrix製品に追い付くには、もっとプラットフォームに磨きをかける必要がある。
米VMwareが「VMware Horizon 6」(以下、Horizon 6)をリリースしてから1年がたとうとしている。VMwareは「RDSホスト(リモートデスクトップセッションホスト)」「GPU仮想化」「Linux対応」によって、Horizon 6を補強し、米Citrix SystemsがEUC(エンドユーザーコンピューティング)の分野で築いた牙城を崩しに掛かっている。
Horizon 6の最新版ではアプリケーションの配信機能が強化され、ローカルUSBデバイスの端子レベルでリダイレクトできるようになった。この機能強化によって、仮想アプリケーションや仮想デスクトップを通してファイルにアクセスすることが可能になっている。
加えて、RDSホスト型デスクトップ/アプリケーション、スマートカード、HTML5ベースのRDSホスト型セッションベースのデスクトップでもスキャンデバイスやイメージングデバイスのサポートが得られる。
VMwareが、競合であるCitrixの「Citrix XenApp」に対抗したアプリケーション配信機能を引っ提げてRDSホスト戦線に参入してから、これらの要素が追加されるまでにちょうど1年の歳月を要した。
米Entelechy Associatesでデスクトップ仮想化アナリストを務めるシモン・ブラムフィット氏は次のように語る。
「Horizon 6の新機能は、長きにわたってRDSホスト市場を独占しているCitrixに追い付く上で重要なものだ。VMwareが今以上に要求が厳しいエンタープライズレベルで争うつもりなら、同社がHorizon 6に追加した機能は間違いなく必要だ」
仮想デスクトップで高パフォーマンスの3Dグラフィックスが必要なユーザー向けにVMwareは、Horizon 6と同社の「VMware vSphere」で、米NIVIDIAの「NVIDIA GRID vGPU」のテクノロジーを組み合わせて共有GPUに対応した。「このような上質なグラフィックス機能は、これまでCitrixがVMwareより優れていた分野だ」と米調査企業のGartnerでエンドユーザーコンピューティングリサーチ部門のディレクターを務めるマーク・ロックウッド氏は話す。
「VMwareがGPUの仮想化をサポートすることによって、VDIの導入が増加する可能性はある。その条件は、IT部門がCPUの高ワークロードを解消して、総所有コストを減少できることだ」(ブラムフィット氏)
VMwareのアプリケーション配信機能は、米Googleの「Google Chromebook」向けのテクニカルプレビューにも搭載されている。VMwareは以前に完全なデスクトップ配信機能をChromebookに導入していた。アプリケーションの配信は2種類の手法で行われる。1つはHTML5ブラウザ経由、もう1つは新しい軽量のChromeクライアント経由だ。
Horizon 6では、既存のVMwareプラットフォームとの統合もさらに進んでいる。具体的には、VMwareの「VMware vSphere Virtual Volumes」(VVOL)、独自のVDIネットワークとセキュリティポリシー向けの「VMware NSX」、超集約型ストレージのための「VMware Virtual SAN 6」などだ。VMwareによるとHorizon 6は、20台のノードで構成されたクラスタで、クラスタごとに最大4千台のデスクトップPCに対応できるという。
さらに、「Ubuntu」と米Red HatベースのLinux搭載デスクトップPCを対象にVMware Horizonの「アーリーアクセスプログラム」も提供している。ユーザーは新しいプラットフォームでデスクトップPCやモバイル端末から、米Microsoftの「Windows」とLinuxベースのアプリにアクセスできる。Linux搭載のデスクトップPCが普及している地域であれば、このプログラムは一層魅力的なものになるだろう。
「レガシーなWindowsの利用を諦めたくない企業にとって、コストを抑えた最先端のコンピューティングを活用し、Linuxを採用することは、より魅力的な選択肢である」(ブラムフィット氏)
興味のあるユーザーは、オンラインでLinuxプログラムに参加できる。
今後も続くVMwareとCitrixの戦い
ロックウッド氏は次のように話している。「Horizon 6のリリースから1年になるが、VMwareには、アプリケーションの配信機能についてVMwareのテクノロジーを選ぶよう顧客を説得するという険しい道のりが待っている。一般論として、Horizonにはスイートとして興味深い点がたくさんある。だが、新参者であるが故にRDSホストの面では魅力が薄い。この市場に割って入るのは容易でない」
さらにVMwareは、米CloudVolumesとスペインのImmidioを買収し、Horizon 6に直接統合する動きも見せている。VMwareの広報担当者によれば、同社の「VMware Workspace Environment Management」スイートは現在開発中だが、これは今回の新規リリースの一部ではないという。
「将来のアップデートについてVMwareが抱える課題は、管理者向けのインタフェースを統合することだろう。コンソールにアクセスできて、何らかのシングルサインオン機能があるだけという状態は、管理者にとって致命的だ」(ロックウッド氏)
Horizon 6の新しいリリースは、2015年3月に利用できるようになった。無償評価版は、VMwareのWebサイトからダウンロードして利用できる。
Horizon 6には「View Standard」「Advanced」「Horizon Enterprise」という3種類の価格設定が用意されている。View Standard(VDIのみ)は同時接続ユーザー(CCU)当たり250ドル。Advancedは指定ユーザー当たり250ドルで、CCU当たり400ドルだ。Horizon Enterpriseエディションは指定ユーザー当たり300ドル、CCU当たり500ドルとなっている。
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