セルフサービス型BIの動向も注目
“やるかやらないか”で二極化するビッグデータ活用 一般企業への浸透が進む
最新の調査結果によると、ビッグデータの活用が一般企業へと拡大しつつある。一方で、ビッグデータの活用を強化する企業と見送る企業で二極化が進んでいる。IDC Japanのアナリストが語った。
ビッグデータの活用に取り組む企業は、システムインテグレーター(SI)やネット系企業など技術力のある企業から、一般企業へと拡大している。その一方で、取り組みを強化する企業と見送る企業の姿勢が鮮明となり、二極化が進んでいる状況が明らかになった。
IT専門調査会社のIDC Japanのソフトウェア&セキュリティグループでマーケットアナリストを務める草地 慎太郎氏はユーザー層の拡大について、次のように話す。「ビッグデータ活用の黎明期では、自社でシステムを構築できるITに明るい企業が積極的に導入を進めていった。それが今では、“一般企業がビッグデータを活用してビジネスをどう改善するか”に変わってきた。それに応じるように、大手ベンダーはビジネス課題を中心としたソリューションに力を入れている」
では、実際にどれほどの企業がビッグデータの活用に取り組んでいるのか。調査結果によると、ビッグデータテクノロジーについて何らかの取り組みを行っているとする企業は、前年調査の28.6%から32.0%へと増加した。一方で、分からないとする企業が31.6%から12.1%に大幅に減少し、当面取り組み予定がないとする企業が39.8%から55.9%に増加した。
「ユーザー企業でビッグデータテクノロジーに取り組む姿勢が二極化している。自社のビジネスモデルを鑑みて、対応が必要かどうかを検討している企業が増えている」(草地氏)
ビッグデータ活用の目的については、マーケティングの強化や業務オペレーションの改善に期待が寄せられている。現在の目的として、35.5%がマーケティング強化、22.9%が業務オペレーション改善を挙げた。今後の目的でも、30.1%がマーケティング強化、17.1%が業務オペレーション改善を選択している。
調査結果では、ビッグデータ活用に期待する効果の度合いも明らかにされている。売上額拡大への貢献では、39.5%が最大で10%程度、24.4%が最大で5%程度を選択、利益額増加への貢献でも、29.5%が最大で10%程度、32.5%が最大で5%程度を選択した。これについて、草地氏は「自社のビジネスを劇的に変えたいという期待よりも、既存ビジネスを堅実に変えたいという期待が大きい」と話す。
ビッグデータ活用の課題に関しては、データ、統計分析のスキル(人材)が不足(43.7%)、予算準備が不十分(41.5%)とする回答が全体で高くなった。また、「データ活用に取り組んでいる企業でも専任のデータサイエンティストが所属している企業は少なく、組織化されている企業はさらに少ない」(草地氏)という。調査結果では、専任の担当はいないが64.3%、専任組織なしが53.1%となった。
昨今、専門技術を持たないビジネスユーザーが利用できるデータ分析ツール、いわゆる「セルフサービス型」のBIツールが注目を集めている。草地氏によると、データのビジネス活用は「Microsoft Excel」をはじめとした表計算ソフトなどの簡易なツールが中心だが、セルフサービス型BIへの利用意向は強く、8割超が前向きな回答をしているという。
市場ニーズとしては、「クラウドを活用した“軽い”ビッグデータプラットフォーム」「人材枯渇への対応のために人材教育への投資と海外人材の活用も視野に入れた取り組み」「ビジネスモデルの転換、ビッグデータインフラの基盤構築だけでなく、ビッグデータによるビジネス革新をユーザー企業とともに取り組み成果を分け合うモデル」が求められている、と草地氏は見解を示した。
IDC Japanでは、2014年の国内ビッグデータテクノロジー市場規模を前年同期比39.7%増の444億700万円としている。年間平均成長率(CAGR)は27.0%で推移し、2019年には1469億400万円になると予測している。
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