データベースセキュリティツールは必須なのか(後編)
機密情報“ダダ漏れ”データベース設計の共通点(1/2 ページ)
企業のデータセンターに保存されているデータの保護において、データベースセキュリティツールが非常に重要な役割を果たす。企業のデータベースに不足しているデータセキュリティ機能を詳しく見てみよう。
企業では、複数の種類のデータベースを保護しなければならないのが一般的だ。そのようなRDBMSユーザーの要件を考慮すると、データベースセキュリティの死角は拡大する。そのため、企業のデータセンターの情報保護において、データベースセキュリティツールが重要な役割を果たす。前編「意外にセキュリティは甘い? データベースのデータ保護に不安を感じる理由」に続き、ツールを使用して、企業のデータベースに不足しているデータセキュリティ機能をどのように補完できるのか詳しく見てみよう。
データベースアセスメント
データベースアセスメントツールは、データベースの構成設定とパッチのレベルを確認するものだ。このツールは「データベース脆弱性評価ツール」と呼ばれることもある。汎用的なサーバやエンドポイントの評価ツールとは異なり、データベース脆弱性評価ツールでは、OSレベルの設定とデータベースに保存された構成情報を確認する。後者の情報はサーバ評価ツールでは確認できない。このようなデータベース向けツールには、具体的な構成ミスや一般的な攻撃ベクトルの有無について、何千もの確認項目があらかじめ用意されている。これには、ベンダー推奨のデータベースセキュリティベストプラクティスだけでなく、業界推奨のセキュリティモデルも含まれる。
確かに、一部のデータベースには基本的なセキュリティチェック機能と一般的な管理機能が組み込まれている。だが、語られない重大な真実は、サードパーティー製の脆弱性評価ツールが重要であることだ。サードパーティー製ツールを使用すると、詳細を把握し、多くのデータベースベンダーが対応していない情報を取得できる。データベースベンダーは、特定のデータベースの脆弱性や関連するパッチについて企業に注意喚起する。一方、サードパーティーベンダーは、データベースベンダーが提供しない回避策や構成変更、分析などの情報を提供する。サードパーティーベンダーは、セキュリティ上の危険だとされているデータベースオプションの解除も推奨している。
さらに、ほとんどのサードパーティー製ツールは、技術に詳しくないユーザーを念頭に設計されている。そのため、セキュリティチームとDB管理チームの間で必要な職務を分離し、データベースの技術的な詳細をよく知らない担当者でも、適切なポリシーが施行および強制されていることを確認できる。
暗号化
ほとんどのデータベースは暗号化機能を備えており、通常、データベース内の特定の列やセルを暗号化する。このような内部機能は一般的にアプリケーションが管理している。そのため、暗号化機能を使用するには、アプリケーションを強化して、データベース暗号化ライブラリを呼び出してデータを暗号化/復号できるようにする必要がある。このような暗号化は、パフォーマンスと統合の問題から人気がない。また、データベースで暗号化の機能が提供されるにもかかわらず、「アプリケーションレイヤー暗号化」と呼ばれることが多い。
現在、データベースユーザーの大半は、透過的なデータ暗号化(TDE)を使用している。TDEは全てのデータに作用し、データベースとディスク間での書き込み/読み取り時にデータを暗号化する。また、直感にやや反するが、TDEはアプリケーションレイヤー暗号化よりも処理時間が短い。それから、TDEの大きなメリットは、ユーザーやアプリケーションだけでなく、データベース自体からもTDEが認識されないことだ。そのため、アプリケーションコードやデータベースクエリを変更することなく、暗号化機能を追加できる。結果として、ディスクファイルと全てのデータベースアーカイブが外部の目から保護される。
TDEには弱点が2つある。1つは、データのセキュリティを確保するために強力なキー管理システムが必要なこと。もう1つは、認証されたユーザーやアプリケーションが要求すると復号されたデータを取得できることだ。TDEを使用すると保存中のデータに関するセキュリティ上の課題はほとんど解決できるが、アクセスと使用方法を検証する必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
3
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
6
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
7
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
8
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
9
2035年までに1億4500万台、急拡大する「フィジカルAI」市場の勝者は誰か
-
10
IT調達担当者が知るべき「IT機器 大インフレ時代の前向きな選択肢」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー