“目隠し型セキュリティ”は子どもをダメにする:失敗しない「学校IT製品」の選び方:セキュリティ編【前編】(1/2 ページ)
学習者がネット犯罪に巻き込まれる事件が多発している。だが、むやみにネットの利用を制限することは、問題の先送りにしかならない。教育機関が認識すべきセキュリティの課題を整理する。
「約半数の母親は、小学生にインターネットを使わせていない」――。綜合警備保障(ALSOK)が2015年7月2日に発表した「小学生と母親の安全に関する意識調査」の中の文言だ。子どもの所在地確認のためにGPS付きの携帯電話を持たせるかどうかなどの項目を中心としたこの調査リポートの中で、私がただ1つ不思議に思ったのが冒頭に挙げた文言だ。
不思議に思ったのは幾つか理由がある。1つ目は、今どきの子どもであるにもかかわらず半数以上がインターネットを使っていない、という調査結果だ。恐らく、これはクライアントPCやタブレット/スマートフォンといった、一般的なインターネット接続端末を子どもに持たせてないことを示しているのだと考えられる。
だが今どきの子どもは、そんな大層な端末を持っていなくてもインターネットへアクセスできる。彼らが利用するのは、小学生や中学生のほとんどが保有している携帯ゲーム機だ。最近の携帯ゲーム機には、必ずといっていいほど無線LAN接続機能が付いている。さらに、携帯ゲーム機を持っていなくても、保護者のスマートフォンを借りてゲームをしている子どもはたくさんいる。
調査結果に話を戻すと、「インターネットを使わせていない」と回答した約半数の母親は、子どもにクライアントPCやタブレットを買い与えていないだけのことだ。ほとんどの子どもは教員や保護者の知らない間に、オンラインゲームやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、それらに類似する多種多様なWebサービスを利用しているのだ。これは家庭でも教育機関でも起こり得ることである。
教員や保護者の目が届かないところで学習者がインターネットへ接触すると、どのような脅威が想定されるのか。本稿では、これらの脅威を明らかにしつつ、具体的なセキュリティ対策として必要な要素を検証する。
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