物理デスクトップとの比較も今やナンセンス
Adobe、Googleが成功事例 “オンプレミスPC”が不要になる日
仮想デスクトップは、物理的なデスクトップと同等のパフォーマンスを実現しなければ、ユーザーの負担になる。現在では、多くの企業が十分なバックエンドリソースで高速VDI接続を活用している。
数年前までは、仮想デスクトップのパワーは低く、それらを実行するインターネット接続も遅かった。だが、今では仮想デスクトップのパフォーマンスは十分高くなり、VDI(仮想デスクトップインフラストラクチャ)のせいでユーザーの生産性が下がるということもなくなってきた。
以前は、VDI実装で使用できるのは1ギガビットイーサネット(GbE)の共有接続が限度で、動画やグラフィックスを多用するアプリケーションを処理したりすれば、レイテンシが発生していた。仮想デスクトップのパフォーマンスとしてはせいぜい1、2秒遅くなるだけだとしても、ユーザーの生産性には影響する。その上インターネット接続が遅いためにリモートアクセスは苦痛で、キー入力の多いアプリの場合は特に大変だった。
仮想デスクトップの今昔物語
今は違う。社内接続回線は1GbEでも、通常は10GbEのバックボーンが利用されている。処理能力が向上し、SSD(ソリッドステートストレージ)の利用でVDIパフォーマンスを引き上げることが可能になった。また、モバイルデバイスが躍進し、安価な機器で高解像度の動画やその他のグラフィックスを表示するニーズが高まったことにより、ストリーム処理も大きく向上した。
ワイヤレス接続も飛躍的に速くなり、広範に普及してきた。以前は米国の多くの企業が8Mbpsの広域ネットワーク接続を利用していたが、ここ3年で状況は変化し、今では大多数の企業が24Mbpsの接続を利用できるようになった。
こうした状況によって、職場でも家庭でも仮想デスクトップのパフォーマンスは安定し、操作性が向上した。物理デスクトップ vs. 仮想デスクトップの議論も、コスト vs. 柔軟性の議論に変わってきている。
VDIパフォーマンスの向上を実現した良い見本が、米Adobe Systemsと米Googleだ。Googleは同社のモバイルOS「Android」に変更を加えることで「Chromebook」の速度を向上させ、Adobeは「HTML5」で仮想編集コンソールをストリーミングする技術を提供した。その結果、250ドルの「Chromebook」と、定額で使える「Adobe Creative Cloud」さえあれば、動画を編集できるようになった。
こうした高負荷の作業がVDI接続で十分可能になったことを見ても、仮想デスクトップのパフォーマンスの将来は有望であり、企業環境に従来型デスクトップが不要になる日も遠くなさそうだ。
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