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徹底レビュー:iPhoneファンも欲しがる「Samsung Galaxy S7 edge」に死角はない?その価格に見合う実力を備えているか(2/5 ページ)

かつてiPhoneに対抗しうる数少ないAndroidスマートフォンだったGalaxyシリーズに最新モデルが登場した。そのシェアは絶対的ではなくなったものの高い処理能力と個性的なデザインは健在だ。その実力を確かめてみる。

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ディスプレイ

Always On Display使用時 Always On Display使用時には基本的な情報を表示する

 Galaxy S7 edgeは、パネル保護にGorilla Glass 4を採用した5.5型のSamsung Electronics製有機ELディスプレイ「Super AMOLED」を搭載している。ディスプレイ面は本体前面のほぼ全域におよび、ランドスケープの両端が曲面を成しており、ベゼルは非常に薄い。曲面を取り入れたディスプレイによって、Galaxy S7 edgeの解像度は2560×1440ピクセル、画面密度は534ppi(1インチ当たりのピクセル数)を実現している。

 2015年にリリースしたGalaxy S6シリーズから解像度は向上していない。だが、Glaxy S7 edgeでディスプレイの品質が低下しているわけではない。次のステップアップでは4K(解像度3840×2160ピクセル)ディスプレイを採用するだろう。4Kディスプレイは、ピクシレーション(画像拡大時に画素が目立つ)に問題を抱える「Gear VR」のプラスに作用する可能性もある。だが、ほとんどのユーザーにとっては4Kという解像度はオーバースペックだろう。また、価格の引き上げとバッテリー駆動時間の短縮という問題も避けて通ることはできない。

 Galaxy S7 edgeのディスプレイは、黒に深みがあり、他の色も鮮やかだ。また、十分な輝度も確保している。また、TechTargetがテストした他のデバイスと同レベルでグレア(光の映り込みで画面が見えにくくなる)を抑えている。有機ELディスプレイでは、白の鮮明さがやや劣る傾向にあるが、Galaxy S7 edgeでもそれは同様だ。また、やや高くなりがちな色温度(光の色を表す指標。高いと青っぽくなり、低いと赤っぽくなる)を考慮して、Galaxy S7 edgeでは、色温度を下げたセピア調の色設定を用意している。

 Galaxy S7とGalaxy S7 edgeではスリープ中でもディスプレイに情報を表示する「Always On Display」というモードを追加した。このモードは設定でオン/オフを切り替えられる。オンにすると、「会議の日を強調したカレンダー」「基本的な通知機能を備えた時計」「スクリーンセーバーの役割を果たす画像」のいずれかを表示できる。メッセージの内容や会議の参加者など、プライベートな情報は表示しない。Galaxy S7 edgeの光センサーを利用しているので、本体がポケットに入っていることを検出するとディスプレイの電源がオフになり、ベッドのそばにあるときは画面が暗くなる。

 Always On Displayは必須の機能ではない。だが、使いやすく、バッテリーへの影響も最小限に抑えている。Samsung Electronicsのテストによるとバッテリー駆動時間に与える影響は1%とのことだ。

CNNのエッジパネル エッジスクリーンを利用したCNNのエッジパネル

 Galaxy S7 edgeは、両端に曲面を取り入れたディスプレイを活用する一連の機能を設定メニューの「エッジスクリーン」で管理する。ここで用意している機能が、上述のEdge lightingと「エッジパネル」「エッジフィード」「ナイトクロック」だ。

 これらは全てGalaxy S6 edgeと同様に機能する。エッジフィードは、ニュースのヘッドライン、見逃した通知、試合結果などの基本的な情報を表示する細長い領域だ。ディスプレイ電源がオフのときにディスプレイのエッジ部分を指でなぞると、エッジフィードがアクティブになる。ただ、見逃した通知は電源ボタンをタップしても確認できたり、ニュースティッカーでは多くのヘッドライン情報が切り詰められてしまったりと、実用性に欠ける。ナイトクロックも、指定した時間帯に輝度を抑えた状態でエッジスクリーンに時計を表示するが、実用性に乏しい点は変わらない。

 Galaxy S7 edgeを電話として使用する場合は、Edge lightingが役立つだろう。この機能をアクティブにすると、ディスプレイを伏せているときに着信があるとエッジスクリーンが点灯して分かりやすくなる。心拍モニターを2秒間押すと、着信を拒否でき、ユーザーが作成したテキストメッセージを自動で配信する。

 Galaxy S7 edgeではエッジパネルの微調整を行っている。幅は550ピクセルとGalaxy S6 edgeの倍になり、ショートカットと情報を表示するための画面領域が増えている。「People edge」と「Apps edge」では、連絡先とアプリのショートカットにアクセスできる。天気、株式、場所ごと(自宅や職場など)のショートカットに対応する新しい機能も追加した。新しく導入した「クイックツール」では、コンパス、ものさし、懐中電灯のショートカットに加えて、新機能の「タスクエッジ」を用意した。タスクエッジには、セルフィーを撮る、予定を追加する、アラームを設定するなどのショートカットを配置している。

 また、ニュースやスポーツの試合結果のエリアをYahoo!やCNNなどのサードパーティーに開放している。これはエッジフィードのニュースティッカーより使いやすい。タスクエッジには、小さな画像と共にヘッドライン全体を表示するのに十分な領域があるからだ。

 エッジスクリーンは、以前のモデルから着実に進化している。目覚ましとしてスマートフォンを使用しているユーザーにはナイトクロックの評価が高かった。クイックツールもよく考えられた追加機能だ。スマートフォンでコンパスがどれだけ必要かは議論の余地もあるが、それでも森の中で迷子になった場合にコンパスがあると安心だろう(GPS機能があったとしてもだ)。ただし、エッジの操作性は全体的に改善が必要だ。現状は典型的なフィーチャークリープ(機能追加の繰り返しで複雑化した状態)といえる状況で、例えばAlways On Displayには無駄な部分もある。

 Samsung Electronicsには「機能を微調整する」という伝統がある。Galaxy S5でユーザーが混乱したユーザーインタフェースの「TouchWiz」は、Galaxy S6でなくなった。スタイラスペンの「Sペン」と大画面スマートフォン(ファブレット)の「Galaxy Note」シリーズについても同じことがいえる。Galaxy Note 5ではペン機能をワークフローに取り入れることに成功し、SペンはAndroidの延長上にあるように感じるほど自然なものにまで進化した。

 全てのスマートフォンについていえるが、Galaxy S7 edgeのスピーカーは個人的に使う分には問題ないが、それ以上の用途には向いていない。低音は満足できる。だが、高音は安っぽい感じがする。スマートフォンのスピーカーは購入を決定する要素であってはならない。スピーカーに関する「まあまあ」のレベルには幅があり信用できないからだ。

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