徹底レビュー:iPhoneファンも欲しがる「Samsung Galaxy S7 edge」に死角はない?:その価格に見合う実力を備えているか(4/5 ページ)
かつてiPhoneに対抗しうる数少ないAndroidスマートフォンだったGalaxyシリーズに最新モデルが登場した。そのシェアは絶対的ではなくなったものの高い処理能力と個性的なデザインは健在だ。その実力を確かめてみる。
付属品
Galaxy S7 edgeには、高速充電器、イヤフォン、Micro-USB変換アダプターが付属する。イヤフォンの品質は高く、予備のイヤーパッドもある。Androidスマートフォンユーザーには、Micro-USB変換アダプターが特に重宝するだろう。AndroidのUSBホスト機能により、Galaxy S7 edgeは、USBマウス、キーボード、外付けHDD、有線のゲームパッドを利用できる。それから、Microsoftの「Xbox 360」コントローラーも利用可能だ。
パフォーマンス
TechTargetがレビューに使用したGalaxy S7 edgeでは、メインプロセッサとしてQualcommの「Snapdragon 820」を搭載している。Snapdragon 820は、CPUにデュアルコア2.15GHzとデュアルコア1.6GHzのKryoを載せ、グラフィックスコアの「Adreno 530」も組み込んでいる。なお、米国以外で販売しているモデルではメインプロセッサに「Exynos Octa(8890)」を搭載するモデルもある。システムメモリの容量はどちらも4GBで、この2つのモデルに認識できるほどの違いはない。
Snapdragon 820の搭載によって、Galaxy S7 edgeは、Galaxy S7と共に、現在最も高い処理能力を発揮するスマートフォンの1つといえる。「Android 6.0.1」(開発コード名Marshmallow)だけでなく“重い”アプリも難なく動作する。その動きは軽快で、日常的に使用する上で処理能力の不足を感じる場面はなかった。
Galaxy S7 edgeで、Primate Labsのベンチマークテストツール「GeekBench 3」を実行したスコアは以下のようになった。シングルコアのテストでは2061、マルチコアのテストでは5454。ちなみに、これまで行ってきたベンチマークテストのベストスコアは、それぞれ1460と4600だった。
バッテリー
Galaxy S7 edgeのバッテリーは容量3600mAhで、このサイズのデバイスとしては大きい。ディスプレイ輝度を最大に設定した状態で動画配信サービス「Netflix」の動画を無線LAN経由でストリーミングしたところ、Galaxy S7 edgeのバッテリーは10時間48分持続した。これは同じ条件でバッテリーが11時間持続したMotorola Mobilityの「Motorola Droid Turbo 2」に次ぐ長さだ。現在流通しているほとんどのベンダーの主力製品は、同じテストで7〜8時間という結果になっている。
Qualcommの電力管理機能「Quick Charge 2.0」のおかげで、Galaxy S7 edgeは急速充電が可能だ。30分で最大容量の約60%まで充電が完了した。なお、ワイヤレス給電推進団体Power Matters Alliance(PMA、現AirFuel Alliance)対応のワイヤレス充電器でも急速充電ができる。
内蔵カメラ
現在、スマートフォンの内蔵カメラは解像度と色の再現において、ほとんどのモデルで申し分ないレベルに達している。一方、暗所撮影やオートフォーカス速度はまだまだ十分ではない。Samsung Electronicsは、開口部の絞り値(F値)が1.7のレンズ、画像画素の拡大、デュアルピクセルセンサーの採用でこの問題に対応している。
Galaxy S6シリーズでは、F値1.9のレンズを採用していた。F値1.7のレンズは、基本的に視野角が広く、より多くの光を取り込むことができ、暗所撮影画像の品質向上に貢献している。これはSamsung Electronicsがより大きな画素サイズ(1.4マイクロメートル)に移行したことも寄与している。表面積が大きくなり、より多くの光を取り込むことができるからだ。
ただし、画素サイズが大きくなるということは、画素数が少なくなることを意味する。Galaxy S6 edgeとGalaxy S6 edge+の有効1600万画素に対して、Galaxy S7 edgeは1200万画素にとどまる。ただし、暗所撮影における品質向上を考えると、十分意味のあるトレードオフに値する。
以下の写真は、どちらの写真も同じ条件で撮影している。Galaxy S7 edgeで撮影したものが左、Galaxy S6 edgeで撮影したものが右だ。
Galaxy S7 edgeのオートフォーカスは高速だ。全ての画素が、被写体との距離を検出する「位相差画素」を兼ねている。一方、Galaxy S6 edgeとGalaxy S6 edge+では、位相差画素を兼ねているのは1%以下だった。そのため、フォーカス速度が2〜3倍になっているというSamsung Electronicsの公表値は妥当だろう。決定的な瞬間を逃したくないユーザーなら、日常的に使いたくなるものだろう。
作例
Galaxy S7 edgeは、白をうまく処理する。以下の作例にある「RIVERSIDE TERMINAL」のロゴがそのいい例だ。Galaxy S7 edgeより低スペックのカメラであれば、「T」の周りの白い円が飛んでしまっただろう。だが、Galaxy S7 edgeでは、ひび割れたペンキと影まで正確に捉えている
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