徹底レビュー:いろんな意味でMacBookに対抗できる唯一のWindowsノート「ThinkPad X1 Carbon」(2016)に迫る:ThinkPadの弱点も改善なるか(2/3 ページ)
強力なスペック、美しいビジュアル、丈夫なデザインを兼ね備えたLenovoの「ThinkPad X1 Carbon」は、市場に出回っている中でも最高のビジネス向け薄型軽量クライアントノートPCの1つだ。
ディスプレイとスピーカー
ThinkPadシリーズのディスプレイは屋外でも画面が見やすいことを重視して作られている。だが、ThinkPad X1 Carbonが採用している14型サイズで解像度が2560×1440ピクセルの映り込み防止IPSディスプレイは表示画質も優れている。ThinkPad X1 Carbonの基本モデルが搭載するディスプレイの解像度は1920×1080ピクセルだが、70ドルの追加で解像度をアップグレードできる。
初めてThinkPad X1 Carbonを起動したとき、PCに設定された真っ黒な壁紙の深い色合いには驚かされた。しかし、本当に驚いたのは、2016年5月24日にBlizzard Entertainmentが発売したゲーム「Overwatch」の最新シネマティックトレーラーを再生したときだ。ThinkPad X1 Carbonは明るくきらびやかな白や黄色と、深く濃い紫や黒で鮮やかな景色を描き出してみせ、パーティクル効果やキャラクターモデルが緻密に表現されていた。絶え間ない動きや素早い動きも、細部まで表示されており、ゲームキャラクターのレザージャケットに施した綿の裏地も確認できた。
解像度を上げることのデメリットは、ディスプレイが暗くなることだ。解像度1920×1080ピクセルモデルの最大輝度は約292nitだが、解像度2560×1440ピクセルモデルは257nitにとどまる。ディスプレイパネルの液晶駆動はIPS方式なので視野角が広い。ディスプレイを90度以上に傾けても、色やイメージを損なうことはない。ただし、ディスプレイに直接当たる光が多くなるので、その反射で画面が見えづらくなる。ディスプレイに光が多く当たるまたは直接当たると、反射した光が気にかかるようになる。また、色も不鮮明になる。晴れた日に屋外で使用する場合や強力な照明の真下で使用する場合はディスプレイが見づらい可能性がある。
ThinkPad X1 Carbonは、下部に1組のスピーカーを搭載している。音声ははっきりとクリアに聞こえ普通サイズの部屋であれば問題なく音が行き渡る。アダム・レビンとウィリアム・クヌートによるCD「Duo Sonidos」に収録してある曲を複数再生したところ、バイオリンの高音が鋭くクリアに響き伴奏のクラシックギターの加工されたバックトラックも迫力のある音量で再生した。
Lenovoの他のノートPCと同様、ThinkPad X1 CarbonにはDolbyのオーディオソフトウェアがプリインストールされている。このソフトウェアパッケージには、音楽、ゲーム、ムービー、音声チャットなどのさまざまなプリセットの他、詳細に制御したいユーザー向けに手動のグラフィカルイコライザーも含まれている。設定を微調整できる機能はいつでも助かるが、日常的な使用であればデフォルトの設定でも十分だ。
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キーボードとタッチパッド
Lenovoは、ThinkPadを特徴付けるさまざまな要素に変更と改良を加えている。ThinkPad X1 CarbonでThinkPadシリーズらしさを完全に体現している要素の1つはキーボードだ。防滴仕様アイソレーションキーボードが復活している。バックライト付きの光沢がある黒色のキーは、端が湾曲しており、指にフィットして押しやすい。キーストロークは非常に滑らかで反応が早い。押し下げ感はしっかりしていて、押した後はすぐに元の位置に戻る。タイピングは快適だ。
これがなければThinkPadとは呼べないのが、キーボードに組み込まれた赤い突起状のスティックデバイスであるTrackPointだ。TrackPointはBキーの真上にあり、連続して滑らかに操作できるようになっている。TrackPointと組み合わせて使うように独立したマウスボタン(右、左、中)はタッチパッドの上部に用意されている。マウスボタンは、TrackPointの操作中にどの指で押しても使いやすいように、深く押し込めるようになっている。
マウスボタンの下には、タッチパッドがある。独立したクリックボタンはなく、表面の素材にガラスを使っている。ガラスの表面は非常にすべすべしており摩擦は最小限に抑えられているので、スムーズに指を動かすことができる。Synapticのドライバがインストールされているため、タッチパッドはスワイプ、複数の指によるジェスチャ、クリックなどに即座に反応し、ほとんど遅れが生じることなく目的の操作ができる。
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