「EMM」でモバイルデバイスのデータを守る
iPhone紛失時に「データ完全消去」をしたくない人に贈るセキュリティ対策4選(1/2 ページ)
モバイルセキュリティに関する企業の関心がデバイス保護からデータ/アプリ保護に向かう中、対策を支援する「エンタープライズモバイル管理」(EMM)ツールも進化している。企業はEMMツールをどう役立てるべきなのか。
モバイルワーカーの急増に伴い、ビジネスデータを取り巻くリスクも増大しつつある。モバイルデバイスを積極的に活用する組織のデータ保護には「エンタープライズモバイル管理」(EMM)ツールが役立つ。
米調査会社IDCによると、米国では全就労者の3分の2が既にモバイルデバイスを活用している。モバイルデバイス内のビジネスデータを効率的に保護できる、拡張性の高い方法を見つけることは急務だ。EMMツールの活用を中心に、具体的案な方法を紹介する。
モバイルデータセキュリティポリシーの徹底
私物端末の業務利用(BYOD)や私物アプリケーションの業務利用(BYOA)の普及もあり、社内外を移動するビジネスデータの量はかつてないほど増加した。
EMMツールは、LANやクラウドサービスを含む会社のサービスへアクセスしようとする新しいモバイルデバイスを自動的に検証する。そこで最低限の基準を満たさないデバイスはアクセスを拒絶し、基準を満たすデバイスは従業員の同意を条件として受け入れる。こうした仕組みにより、モバイルデータを守るポリシーを徹底しやすくする。
例えばEMMツールは、ファイルやフォルダを暗号化して保存する「暗号化ファイルシステム」機能を持たない古い「Android」搭載デバイスの利用を拒否したり、デバイスレベルのパスコードが有効かつ十分な強度であることを確認したり、デバイスが盗難/紛失に遭った場合のデータ消去への同意をエンドユーザーに義務付けたりすることができる。また設定プロファイルやアプリを配信したり、アクティベートしたりする手段としても機能する。
モバイルデータのコンテナ化
企業の重点がデバイスのセキュリティ対策からビジネスデータのセキュリティ対策へと移る中、EMMツールは、データやアプリを隔離する「コンテナ化」技術を搭載するようになった。コンテナ化機能はデータ中心型とアプリ中心型に大別できるが、アクセスを管理し、暗号化した信頼できる環境を構築し、その中でビジネスデータへのアクセスや使用、保存、共有をするという点で、根底にある原則は共通している。
多くのEMMツールが提供する「モバイルコンテンツ管理」(MCM)機能を利用すれば、IT部門はモバイルデバイスへビジネスフォルダやファイルを自動でプッシュ配信して、常に最近の状態に更新できる。エンドユーザーはデータを読んだり編集したり、必要があればコピー&ペーストや印刷をしたりできるようになる。IT部門がMCM機能を使えば、エンドユーザーがビジネスデータをうっかり流出させる事態を防ぐことも可能だ。
「セキュアメール」「セキュアブラウザ」といった標準的なビジネスアプリのセキュリティ強化版を提供するEMMツールもある。こうしたセキュアアプリはコンテナとしての役割も果たすが、重点を置いているのは、以下のようなビジネス機能の実現だ。
- 会社の連絡先ディレクトリへのアクセス
- 指定したグループのみへのメールの添付ファイル転送
- 企業のWebサイトやファイルサーバ、クラウドサービス経由でアクセスするビジネスデータの保護
EMMツールはセキュアアプリのインストール、設定、メンテナンス、削除といった役割を果たす。また信頼できる認証局のデジタル証明書といった会社の資産へのアクセス、シングルサインオン(SSO)のための認証情報の管理も含む。
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