「ストレージ」から見る仮想化の今【前編】
VMware vs. Microsoft“仮想化戦争”の舞台が「内部ストレージ」に移った訳(1/2 ページ)
仮想化ベンダーが技術開発の中核にストレージを据え始めている。前編では、特に動きが活発なサーバの内部ストレージを活用した仮想化技術の最新動向を追う。
サーバ仮想化は、今やアプリケーション導入時の標準的な技術となった。だが効率的な仮想環境を実装するには、データストレージ層が可用性とパフォーマンスを発揮できるようにすることが重要になる。ハイパーバイザーベンダーは状況に応じて、自社製品を継続的に進化させ、外付けのアプライアンスやストレージアレイの操作と管理を改善してきた。最近では、その対象にサーバの内部ストレージを含むようになっている。
本稿では、ストレージとデータ管理機能に関するハイパーバイザー型仮想化技術の最新事情をお届けする。またサーバの内部ストレージが、従来の外部ストレージの代替となることができるように、どう調整されているのかを解説する。さらに「コンテナ」の形を取る新たなアプリケーション仮想化技術についても掘り下げ、ベンダーがコンテナのエコシステムでどのようにストレージに対処しているのかについても解明する。
内部ストレージ
ストレージ仮想化が初めて登場したとき、内部ストレージは、各ハイパーバイザーを稼働するホスト(サーバ)に直結したDAS(直接接続ストレージ)専用のものだった。だがRAIDコントローラーと共に展開しない限り、スケーラビリティ(拡張可能性)と障害回復力における効果は高くなかった。これは、ベンダーが外部ストレージへ移行した理由の1つとなっていた。
だがここ数年で、主要なハイパーバイザー型仮想化ベンダーは、ストレージをホストの内部に戻すチャンスに飛び付いている。これは、ストレージメディアの信頼性に加え、ストレージネットワークの排除によって実現できる待ち時間の短縮に対するニーズの高まりを受けた動きだ。
VMwareの内部ストレージ関連技術
VMwareのストレージ仮想化ソフトウェア「VMware Virtual SAN」(VSAN)は、ホストの内部ストレージをプール化して、スケールアウト用の分散型共有ストレージとして利用可能にする。サーバ仮想化ソフトウェア「VMware vSphere」やそのハイパーバイザー「VMware ESXi」の物理ホストにある複数のHDDとフラッシュストレージを結合することで、ストレージの容量、パフォーマンス、冗長性を実現する。
VSANは、仮想デスクトップインフラ(VDI)や中程度の重要性を持つアプリケーション、災害復旧環境を対象として、VMwareが2014年にリリースした。またVSANはESXiに組み込まれており、ESXiのメジャーリリースやアップデートの際には、その後にVSANもアップデートされる。
今までにVSANの機能は増え続けてきた。VMwareがVirstoを買収したことで加わったファイルシステム機能に加え、スナップショット機能やクラスタ構成機能、ストレージ接続規格「NVM Express」(Non-Volatile Memory Express)のサポートも追加された。2016年の最新リリースでは、オールフラッシュアレイ(全ての容量をフラッシュメモリでまかなうストレージアレイ)向けの重複解除とデータ圧縮、イレージャーコーディング(消失訂正符号)、IOPS(1秒当たりのI/Oアクセス回数)の制限、状態とパフォーマンスの監視などが追加されている。
現在VSANは、VMware vSphereの中核を担っている。これは特に、ハイパーコンパージドインフラに関していえることだ。またVMwareがVSANを個別にライセンス化していることから、未来の稼ぎ頭とも見なすことができる。
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