その性能は全てに置いて「1000倍」
SSDを過去に追いやる「次世代メモリ技術」がHDDの追い風になる(1/2 ページ)
SSDはその転送速度と同様に企業システムでも導入が急速に進んでいるが、3D XPointや相変化メモリといったさらに高速なストレージ技術もSSDを超える性能を実現すべく、現在開発が進んでいる。
「オールフラッシュに移行すべき」という声が目立つ2016年の夏においても、データメディア市場では、既存の枠組みを打ち破る動きに関係者の多くが関心を寄せている。
NANDフラッシュを利用したフラッシュストレージは、IT関連技術の中では変化のペースが比較的遅いストレージデバイスの世界においても、珍しいぐらいの速さで普及してきた。NANDベースのフラッシュストレージが躍進した理由はたくさんあるが、その中でも特に挙げるとすれば、その高速な転送レートのおかげだ。
登場した当時、NANDベースのフラッシュメモリは市場で最も高価なストレージメディアだったため、ベンダーは、比較的少量のフラッシュメモリを利用してパフォーマンスを顕著に引き上げる賢い方法を編み出した。場合によっては、そのおかげで、当時システム全体の処理能力に対するボトルネックとなっていたディスクストレージが不要になったことさえあった。
ストレージの性能、特に転送レートの大幅な向上を経験したストレージユーザーは、当然のことながらさらなるパフォーマンス向上を求めた。需要拡大と増産に伴ってフラッシュストレージの価格は下がっていき、今やオールフラッシュストレージアレイの販売が好調という状況に至っている。
ソリッドステートストレージはまだ進化する
フラッシュストレージの用途が急速に広がり、サーバ用DRAMの補助キャッシュとしてもフラッシュを使うようになるとともに、新しい問題が出てきた。それは、データの読み書き速度に関して、フラッシュはDRAMに遠く及ばないことだ。不揮発性メモリのフラッシュは、HDDと比べてはるかに高速でも、揮発性メモリのDRAMに対しては圧倒的に遅い。それでも、次世代ストレージ向けに現行フラッシュの限界を超え、DRAMとの差を縮める不揮発性メモリ技術の開発が進んでいる。
現在では、フラッシュの後継となる可能性を持つ技術が幾つかある。それらはいずれもしばらく前から存在しているが、概して今も研究段階にあり、製品化よりも科学研究プロジェクトの取り組みという性格が強かった。
だが、最近あった2つの大きなブレークスルーは、フラッシュを超える後継技術によって次世代のソリッドステートストレージが実現できることを明確に示している。しかも、そうした次世代ストレージでは、単に速度、容量、耐久性が向上するだけではない。
MicronとIntelが2015年7月に発表した「3D XPoint」技術と、IBMが2016年5月に発表した新技術を組み込んだ「相変化メモリ」(PCM:Phase Change Random Access Memory)から分かるのは、NANDフラッシュ技術がソリッドステートストレージ時代の幕を開いたが、これからは従来のメモリとストレージの考え方に挑戦する製品が登場してくるということだ。
この2つの技術について、それぞれの開発企業がデモでその挙動を公開しているが、開発途上の段階にあっても既に現在のNANDフラッシュ技術と比べて明らかに高速で、長持ちし、膨大な回数の書き込みを処理できている。
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